婦人服の製造販売を行うレリアン(LELIAN)は2月14日、下請け事業者に支払う代金の不当な減額や返品が下請代金支払遅延等防止法(以下、下請法)違反だと認定され、公正取引委員会から勧告を受けた。下請法違反と認定された総額は約23億円。
公正取引委員会の発表資料によると、レリアンは下請事業者に製造を委託している商品の一部について、売れ残った約6億5500万円分の商品の返品や、同社がセール時に店頭小売価格を引き下げるための原資を下請事業者に負担させるいわゆる「マークダウン等による値引き」などによって約14億9100万円を不当に減額したという。
また、原則として下請事業者の納品物を受領した日から60日以内に代金を支払わなければならないところ、同社は顧客に販売した日を下請け業者から受領した日とみなして支払期日を定める消化仕入取引を行っていたため支払期日が定められておらず、2018年11月以降に下請事業者から受領した商品の一部について代金を支払っていないという。未払額は下請事業者10人に対して総額約1億7000万円。
公正取引委員会はレリアンに対して、未払いの下請代金および遅延利息の支払いや減額した金額の支払い、返品した商品を再び引き取ることや今後同様の事象が起きないよう取締役会の決議で確認することなどを勧告した。
レリアンは、「今回の勧告を真摯に受け止め、勧告内容を役員および全従業員に周知徹底する」とコメントしている。また、すでに全従業員を対象に下請法順守に関する社内研修を実施したという。
同社は、2009年に伊藤忠商事が52.8%の株式を取得し連結子会社化しており、17年からは伊藤忠のブランドマーケティング第一部長だった小谷建夫氏が社長に就任。婦人服「レリアン」のほか、「ランバン コレクション(LANVIN COLLECTION)」や「ランバン オン ブルー(LANVIN EN BLEU)」を展開している。