東アジアを中心に好調を維持している「オニツカタイガー」は、2020年に満を持して欧米市場に挑む。2018年12月期の売上高は428億円と、アシックス全社の売り上げ(同3866億円)をけん引。庄田良二・現カンパニー長がブランドの責任者に就任した11年当時は同91億円だったが、その後は右肩上がりで伸長を続け、将来的には売上高1000億円を目標に掲げるまでに成長している。同ブランドにとって欧米市場攻略は大台突破への至上命題であり、念願でもある。(この記事はWWDジャパン2020年2月17日号からの抜粋です)
「オニツカタイガー」の2011年
12月期からの年間売上高
「オニツカタイガー」は、アシックス創業者の鬼塚喜八郎がスポーツシューズメーカーとして1949年に創業した。77年のアシックス設立とともにブランドはいったん休止するも、2002年に再始動。代表モデル“メキシコ 66”の復刻版が、レトロスポーツスタイルの流行や米映画「キル・ビル」(03年公開)での着用効果などでファッションアイテムとして人気を博し、ヨーロッパでの人気が拡大。この海外での知名度向上が、結果的に2020年春夏シーズンの「ジバンシィ」、20-21年秋冬シーズンの「ヴァレンティノ」というラグジュアリーブランドとのコラボレーションへとつながることになる。再始動当時のヨーロッパでのブームは尾山基・現アシックス会長CEO(最高経営責任者)の貢献が大きく、現在「オニツカタイガー」を率いる庄田良二カンパニー長は思いを受け継ぎ、アジアでの成功事例をもって欧米での販路拡大を目指す。20年春にはロンドン屈指のショッピング街のリージェント・ストリートに表参道店クラス(263平方メートル)の大型店を開くほか、8月にはニューヨーク・ソーホーのグリーン・ストリート、10月にロサンゼルス、そして年内にミラノに店舗兼ショールームを開く予定だ。
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