アメリカ・カリフォルニア発祥のシューズブランド「アグ(UGG)」は今年、世界の著名スニーカーショップとコラボレーションして、ユニークなスニーカーを毎月ドロップするプロジェクト「12 × 12」に取り組んでいる。日本から参画するのは、アトモス(ATOMOS)。本明秀文・社長は早速、「12 × 12」のキックオフを祝うスニーカーとして、シューズ全体をフェイクファーで覆い、チーズを模したレースキーパーをあしらったインパクト絶大のスニーカーをドロップ。今年の干支を模した商品は、瞬く間に完売した。本明社長に、「アグ」のシープスキンのブーツではなく、スニーカーの魅力を聞いた。
WWD:そもそもなぜ、「アグ」と協業することになったのか?
本明秀文テクストトレーディングカンパニー社長(以下、本明社長):「アグ」の日本市場担当者と長年の知り合いだった。シープスキンのブーツは「アトモス」でも販売していたんだけれど、一時「アグ」は販路を百貨店にシフトして「Fxxx You!」って思っていた(笑)。でも、もう昔の話だし、本国のアンドレア・オドネル(Andrea O’Donnel)社長は“変わり者”だから大好き(笑)。そこで去年、アトモス限定でダルメシアン柄の「アグ」のスニーカーを発売したら、あっという間に完売した。
WWD:今回の“ネズミ”も、相当のインパクトだ(笑)。
本明社長:モコモコであったかいのは、とっても「アグ」っぽい。「12 × 12」は“自然”がキーワードで、この後もセコイヤの森(アメリカ西部のヨセミテ国立公園に広がる大自然)にインスピレーションを得たコルク製のスニーカーなんかが登場するんだけれど、ネズミだって動物だし「“自然”だなぁ」って思って。そもそも今は、面白いコトをやらないと。面白くなければ自分も「履きたい」って思わないし、同業他社の人間なんて注目させることさえできない。ネズミのスニーカーは、同業他社も「買いたい」って言ってくれた珍しい商品。コレは、スニーカーブランドの展示会には絶対に並ばない。スニーカーブランドだったら、アッパーの素材の段階で「NG」が出ちゃって、決して生まれなかった。「アグ」のようなファッションブランドだから誕生したスニーカーだ。パリで履いていたら、警察官に「それ、何?」って聞かれたくらい(笑)。バクダンに見えたのかな?
WWD:「アグ」のスニーカーの魅力は?
本明社長:グループに「ホカ オネオネ(HOKA ONEONE)」もあるし、やっぱりモノが良くて履きやすい。組織にも自由なムードが漂っていて、アメリカっぽい。和気あいあいとして、「大丈夫?」って思うくらい皆ニコニコしていて、アメリカを象徴するブランドなんだなって思う。スニーカーにおいては、今の段階では「型がない」のも魅力。だから、なんでもできる。エネルギッシュ&クレイジーに、男性、特にアジアに住む若い世代にリーチできたら、化けそう。