※この記事は2019年12月24日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
続・接客について。リフォームから考える
私事ですが、家のリフォームを計画しており週末ごとに建築士さんと話し合いをしています。古くなった壁を壊し、間取りを引き直して、暮らし方にあった空間を作る。奥が深い作業です。リフォームとは生き方を見つめ直すこと。決定事項は小さくてもひとつひとつが自分にとって大切なことの取捨選択であり、何気ない導線の見直しは自分の行動を見直すきっかけにもなります。なんだか建築会社のCMみたいですがホントにそうなんです(笑)。
だから、リフォームが成功するか否かはパートナーとなる建築士さんとの相性の良し悪しは大きいと思います。自分は、良い人と出会えました。彼女はこちらの生活を丁寧に聞き取ってくれつつ、無駄な生活クセを指摘して「ならば、ここは思い切ってこうしたら良いのでは?」と、前のめりに想定外の提案をしてくれます。ニーズだけではなく、自分が知らなかった自分のウォンツを引き出してくれる感じがプロフェッショナルです。
ちなみに見直したことのひとつが、衣替えの仕組みと洗濯の動線です。季節が替わるごとにクローゼットやクリアボックスから引っ張り出してはしまう繰り返しと、毎日のように繰り返す洗濯機から物干し、アイロンの動きをいかにしたらスムースにできるか?そんな細かいこともとことん話し合っています。建築士という仕事は暮らしのスタイリストなんですね、とつくづく。
先週のこちらのレターで接客について書きましたが、自分が接客に求めてしまうのも建築士さんみたいな仕事です。服やスタイリングを通じて生活をデザインしてくれるようなプロフェッショナルな視点とも言えます。新しい服を次々と購入するよりも、長く着られる本物が求められる時代。それでも次のものを買おうと背中を押されるのは、「必要だから」に加えて「まだ知らない自分の魅力やウォンツを発見できるから」かと。なんといっても服にはそれだけの力がありますから!
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