この夏に開催される東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京オリパラ)で、日本代表選手団が表彰式や選手村などで着用するオフィシャル・スポーツウエアの発表記者会見が21日、都内で行われた。2015年から公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、組織委員会)とゴールドパートナーシップを結ぶアシックス(ASICS)が手掛け、Tシャツやパンツ、スニーカー、バッグなど全17アイテムを提供する。
コンセプトは“ジャポニズム(JAPONISM)”で、日本の伝統美と先進技術を掛け合わせた。メインカラーは前回大会でも採用された日の出を思わせる“サンライズレッド”で、朝日が昇る力強さをイメージ。プリントされた幾何学模様風のグラフィックは、“ジャパンチームキーグラフィック(JAPAN TEAM KEY GRAPHIC)”と名付けられた5色の赤からなるオリジナル柄で、”折形”や”かさねの色目”など日本の伝統的なデザインや技法に着想している。
開発にあたっては“コンディショニング”、“ダイバーシティー”、“サステナビリティー”の3つのテーマを掲げた。日本の酷暑に対する暑熱対策として、前回大会のウエアと比較し5倍の通気性を実現。ジャケットは誰でも容易に着脱できるよう新作ファスナーを採用し、Tシャツやポロシャツなどは1枚の生地から型取りしているため、1つとして同じデザインのウエアはないという。そして原料の一部には、昨年日本全国で回収した約4トンの衣類から作られたリサイクル糸を使用している。
記者会見には、森喜朗・組織委員会会長や、尾山基アシックス会長、廣田康人アシックス社長、柔道女子78kg超級の素根輝選手、スポーツクライミングの楢崎智亜選手、元女子レスリング選手の吉田沙保里、元車いすバスケットボール選手の根木慎志らが登壇。廣田社長は、昨年のラグビーW杯時にゴールドウインが手掛ける日本代表ユニホームが20万着以上売れたことを引き合いに出して、明確な販売目標の数字は明らかにしなかったが「“東京ごと”ではなく“日本ごと”にしたい。できれば国民1人1着で日本中を赤く染めたい」と意気込みを見せた。
アシックス直営店と公式オンラインストアでは本日から、レプリカモデル29アイテムおよび応援グッズ33アイテムを順次販売している。価格はレプリカモデルが800〜4万3000円、応援グッズが1800〜2万円。
なお、東京オリパラの開会式などで着用する公式服装は紳士服チェーン大手のAOKIが、フィールドキャスト(大会スタッフ)およびシティキャスト(都市ボランティアスタッフ)のユニホームはアシックスが手掛けている。