「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」は、アーカイブ生地をイギリスのファッション大学や専門学校に寄贈するファブリックドネーションを開始した。サラ・バートン(Sarah Burton)=クリエイティブ・ディレクターが導入した教育プログラムの一環で、過去10年間にわたり保存してきたコレクションのサンプルと生産過程で残った生地を有効活用する。
ウエストミンスター大学の学生、スティーブン・ストーキー・デイリー(Steven Stokey-Daley)は、2020-21年秋冬ロンドン・コレクション期間中に行われた卒業コレクションで、アーカイブ生地を使用したルックを発表した。ウール素材のタッターソールチェックのラグラントレンチコートや、3つの異なるシルクを組み合わせたストライプ柄のドレスガウンを制作した。
サラ・バートンは「コレクションのリサーチとデザインに使用したものは全てアーカイブとして保存しており、何も捨てず、無駄にすることはない」と語り、ファブリックドネーションの経緯について次のように続けた。「学生たちは私たちにインスピレーションを与えてくれる。それと同時に私自身、学生時代に卒業制作のための生地を買う余裕がないのがどれほど厳しいことだったかを思い出した。私はとてもラッキーで、『アレキサンダー・マックイーン』で働き始めたときに、リー(リー・アレキサンダー・マックイーン)が生地を援助してくれた。われわれの貴重な資源は、より適切に使用されるべきだと感じた」。
「アレキサンダー・マックイーン」は昨年1月に、インスタレーションやトークセッション、イラストや学習のワークショップが行えるエデュケーションスペースをロンドンの旗艦店に開設している。