世界最大の時計・宝飾見本市「バーゼル・ワールド(BASEL WORLD)2020」への不参加を決定したカシオ計算機が、2月26~27日の会期で東京・恵比寿のイベントホール、エビス303で展示会を開催している。開催時期や会場、規模などは例年にならったもので、対象は日本のバイヤーおよびメディア。
新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれたが、受付で資料と共にマスクと使い捨て手袋を渡し、入場前には消毒液の利用を促している。カシオ計算機によると、「展示会に合わせてマスク約1500枚を用意した」という。また会場には「親族を含めて1カ月以内に中国に渡航歴のある方、咳や37.5℃以上の熱のある方の入場は遠慮ください」と書かれた看板も設置され、スタッフが定期的にドアノブや手すりなどをアルコール消毒している。
客足については、「メディアは例年並み。バイヤーは1割ほど減った印象だが、大型店舗が必要最低人数で来場しているためと思われる」と答えた。またバイヤーには「事前に無理のない来場をアナウンスし、フォロー(個別に新作を見せること)の用意があることも伝えた」という。
上間卓・営業本部 時計プロモーション部 部長は、「『バーゼル・ワールド2020』に代わる新作発表の場として、秋頃から地域ごとに世界中を巡回する中規模の展示会を予定している。やはり“『G-SHOCK』を見たい”という声は多い」と話す。さらに地域ごとに商習慣が異なる点に触れ、「“ローカライズ”をキーワードに、いっそう的中率を上げたい」と展望する。
「バーゼル・ワールド2020」をめぐっては、カシオ計算機とセイコーウオッチが出展取り止めを発表。一方、シチズン時計は出展を予定していたが、「新型コロナウイルスの影響」(シチズン時計広報担当者)で24日に取り止めを発表した。これで「バーゼル・ワールド2020」には、国産時計メーカー“御三家”が全て出展しないことになった。