ファッション
連載 実践パーソナルスキンケアサービス

8万通り以上のパーソナルスキンケアの資生堂「オプチューン」を編集部が試してみた 振り返り編

 資生堂が同社初のサブスクリプションサービスとしてスキンケアのパーソナライゼーションを実現する「オプチューン(OPTUNE)」を本格スタートさせました。一人一人の肌環境に合わせたケアを専用マシンが提供するIoTスキンケアシステムで、8万通り以上のお手入れアルゴリズムから最適なスキンケアを提供するという、業界的にも画期的なこのサブスクサービス。月額1万円で利用できます。どんなものか体感したいということで、「WWDビューティ」編集部の20、30、40代を代表する記者3人が個人的に申し込み、3カ月間実際に試して肌の状態がどのように変化するかをリポートします。

男性記者K:メンズコスメや小売りなどの担当記者
女性記者N:国内メーカー担当記者
女性記者M:国内メーカー担当、「WWDビューティ」マネジングエディター

拝啓「オプチューン」 スキンケアの楽しさを教えてくれてありがとう(20代男性記者K)

「オプチューン」利用開始から3カ月を迎えました。この3カ月間の感想を一男性目線でお話したいと思います。まず、スキンケアに限らずズボラな僕にとって、オールインワンかつその時々の状況を診断してくれて、読んで字のごとく “肌に合う”処方をしてくれる機能は、本当に便利でした。今回は調査ということで3カ月で解約したのですが、自宅にあるスキンケア製品を片っ端から試したり、売り場を見て回って“肌に合う”製品を追い求める状況に陥ってます。この感覚を体感させてくれた「オプチューン」に感謝です。この3カ月間を振り返って、それまでスキンケアやコスメは“仕事”としていた僕が普通に興味を持つことが出来て、スキンケアの楽しさを気づかせてくれたことが「オプチューン」を利用して一番の利点だったと思います。これからも「オプチューン」で習慣づいたスキンケアを継続していきたいなと思います。第4回目の今回が最終回。3人の肌はどのなったでしょう。3カ月使った感想を含め振り返ります。
 
 ただ個人的に、便利な機能故の問題が一つあります。「オプチューン」の肌診断機能です。なぜなら僕の場合、肌状態が良好ではないと診断された日は、著しくテンションが下がるからです。これは僕自身に原因があるのですが、遊び過ぎた日や夜遅くまで働いた日の翌朝、鏡でむくみやクマなどが目立つひどい顔を見ると、ただでさえ身体的に体調がすぐれないのに、精神的にも具合が悪くなってきます(笑)そんな日は正直、誰にも会いたくないですし、外出すら億劫になります。そこに追い打ちをかけるように、肌の水分量やキメの悪さを的確に指摘されてしまうと、僕の場合「やっぱりそうか……」と余計に気分が落ちてしまうんです。肌状態もさることながらメンタルを一定にキープしてくれる機能があればと思った次第です。でも一方で状態が良いと出た時には少し自分に自信が持てるようになったんですけどね。今後はたとえ調子が悪い時でも「良くなってやるぞ」と思って1日を前向きにがんばります。

肌変化がないって悪いこと? 日々のアップデートに期待大(30代女性記者N)

 約3カ月続けた「オプチューン」ですが、結論を言うと、肌の調子は大きく変化しなかった……です。でもこれって、毎回送られてくるスキンケアが自分自身の肌にちゃんと合っていたという証拠なのではかと思うんです。なので、肌が悪化することも劇的に良くなることもなく、「オプチューン」が感じる私のベストな肌状態をキープしていてくれていたのかも、と。しかも「オプチューン」は利用者の肌データを蓄積しながら、まだまだ進化の途中。日々アップデートが行われています。現在は、「私の肌には合わなかった」という人がいたとしても、1年後、2年後には手放せない相棒になっていることも大いに考えられます。

 そんな未来への可能性を秘めた「オプチューン」とはいったんお別れですが、私にとってビューティとデジタルテクノロジーの距離がぐっと縮まった経験になったことは間違いありません。私事ですが、昨年にスマートスピーカー「アマゾン エコードット」を購入しまして。美容アドバイスを伝える音声サービス「資生堂スキル」があるので、「アレクサ、資生堂で毛穴をカバーするベースメイクを教えて!」なんて話しかけたりしています。引き続き、“テクノロジーはビューティの未来を変える!”を身をもって体験中です。だからまた「『オプチューン』再開しようかな」なんて考えていましたが、現在「オプチューン」は当初準備していた生産台数に達したため、新規申し込みを受け付けていないとのこと……。(再開時期は未定)残念です。

パーソナライズがコミュニケーションツールに(40代女性記者M)

 今年の冬は暖冬ですが、それでも季節の変わり目はやってきます。で、再び揺らぎ肌になりました……。よってオプチューンでのお手入れは期間を置いての日々が増えました。少し罪悪感があるためかアプリは立ち上げてみようと思うのです。アプリからは「そろそろ肌測定をしてみましょう」のおすすめが。「分かってはいるけど、今は使えないのです」と心の中で言い訳していました。そうこうしている間に当初から3カ月の期間限定と決めていた期限がやってきました。後半戦が思いの外使用できなかったのですが、最終的に感じたことは習慣化するまでが大変ということでした。私の場合は揺らぎ肌の時期に加え、疲れ果てて帰宅したときなどはついついサボりがちに。揺らぎ肌などにもたいおうしてもらえるようになると嬉しいです。しかし、アプリによって肌状態が可視化できるのは継続するモチベーションになります。楽しみながらスキンケアができるのも高ポイントでした。

 オプチューン生活を終えるにあたり、解約の連絡が必要になります。申し込みとセットに時間を要しただけにスムーズに手続きが完了するかドキドキでした。結論から言うと全く問題なく進めました。オペレーターの方に解約したい旨を伝えると、解約理由を聞かれます。それに答えると「今までご使用頂きありがとうございました」との言葉が。少しだけ申し訳ない感情があったのですが、気持ちが軽くなりました。

 長期間の使用体験は始めてでしたが、3人でできたこともあって期間中はオプチューンに関しての会話も多くなってました。コミュニケーションツールとしても活用できてよかったなと感じています。今後、パーソナライズ化は加速していく中で、こういった体験取材を続けられたらと思います。あくまでも一消費者として体験するので、多少の辛口コメントがあってもご容赦ください(笑)。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。