ファッション

「コーシェ」による「エミリオ・プッチ」がミラノでお披露目 アーカイブを再解釈

 イタリアブランド「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」はミラノ・ファッション・ウイーク中の2月20日、「コーシェ(KOCHE)」を手掛けるクリステル・コーシェ(Christelle Kocher)をゲストデザイナーとして迎えた2020-21年秋冬コレクションを披露した。

 色鮮やかなプリントで知られる「エミリオ・プッチ」のアーカイブの柄を用いた、スポーティーで洗練させたウエアをユニセックスで提案。コーシェは創業デザイナーのエミリオ本人が1956年にデザインした”パリオ(PALIO)”コレクションから、“ルパ(LUPA)”や“セルヴァ(SELVA)”などの柄をセレクトし、ライラックやフクシア、エレクトリックブルーなどの「エミリオ・プッチ」の馴染みのある色合いでまとめた。『エミリオ・プッチ』の紋章にコーシェのKを合わせた新エンブレムも登場し、所々にあしらわれた。

 アイテムは、ドレスやコート、ポロシャツ、トラックスーツなど、エレガンスとスポーツと掛け合わせたスタイル。素材は「エミリオ・プッチ」が長年取り入れてきたジャージーを始め、デニムなどカジュアルなものを取り入れながらも、繊細なレースを装飾に用いたり、フェザーの上にプリントを施すなど、「コーシェ」の得意とするクチュールテクニックを合わせている。

「エミリオ・プッチ」と「コーシェ」の共通点は
”洗練されたスポーツウエアの要素”

 コーシェは「創業者のエミリオ・プッチはユニークな色柄だけでなく、ジャージー素材を使ったデザインでもよく知られて、女性服を美しく快適に変化させていたったデザイナーの一人。だから、そのアーカイブの色や柄を用いながら、新しい快適性と斬新さを備えたコレクションをユニセックスで打ち出したいと思った。そのプッチ氏がスポーツウエアをエレガントに取り入れているアプローチは、私が『コーシェ』でやっていることとの共通点を強く感じたわ」と語った。

 クリステル・コーシェは自身の「コーシェ」のデザインを手掛ける傍、シャネル(CHANEL)傘下のクチュールアトリエのルマリエ(LEMARIE)でアーティスティック・ディレクターを務め、「シャネル」の繊細な羽細工やカメリアなどのコサージュなどをディレクションするなど、マルチに活動するデザイナーだ。19年6月にはフランスの若手デザイナーの登竜門「ANDAMファッション・アワード(ANDAM Fashion Award)」のグランプリを獲得。同年に「コーシェ」はOTB傘下で生産・販売を手掛けるスタッフインターナショナルとライセンス契約を結び、20-21年秋冬からスタッフインターナショナルが生産と販売を行うことが決まっている。「コーシェ」はこれまでに「ナイキ(NIKE)」などともコラボレーションを行ってきた。

 来シーズンの「エミリオ・プッチ」と「コーシェ」の協業の継続は未定で、今後はまた新たなデザイナーが迎えられるようだ。

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