パコ・ラバンヌ(PACO RABANNE)
1 / 5
DESIGNER/ジュリアン・ドッセーナ(Julien Dossena)
会場は、かつては牢獄として使われ、マリー・アントワネット(Marie Antoinette)も投獄された歴史もあるコンシェルジュリー。騎士や聖職者など中世の装いを出発点に、シックで現代的な強い女性像を表現した。中心となるのは、首元の詰まった細長いシルエット。可憐な花の刺しゅうを加えたかっちりとしたテーラードコートやスーツ、クラシックな花柄やレースを取り入れたフェミニンなドレス、アンティークのラグやスカーフを想起させるフリンジドレスなどをそろえる。ブランドにとってのアイコニックな素材であるチェーンメイルを用いたなめらかなドレスは、長年培ってきた職人たちの技術の賜物。さながらクチュールの繊細さを感じる。
クロエ(CHLOE)
1 / 5
DESIGNER/ナターシャ・ラムゼイ・レヴィ(Natacha Ramsay-Levi)
今季は、着やすい丈感が印象的だ。柔らかなロング丈のドレスやスカートをそろえる一方で、お父さんから借りてきたようなジャケットやタック入りのワイドパンツ、ダブルモンクストラップシューズやレースアップブーツも織り交ぜ、甘さと辛さのバランスを探求。ベルトマークとジャケットやニットにはあしらったピンズをスタイリングのアクセントにした。落ち着いたカラーに加え、服やバッグを彩るのはナターシャの友人であるリタ・アッカーマン(Rita Ackermann)の作品。ランウエイには、福島リラも登場した。
リック・オウエンス(RICK OWENS)
1 / 5
DESIGNER/リック・オウエンス(Rick Owens)
“プロテクト”は今季のパリのキーワードだが、「リック オウエンス(RICK OWENSE)」はずっと前から一貫して“プロテクト”を服で形にしてきた。繊細なハートを包み込むようなフォーム、外敵から体を守るかのような巨大な肩パッドの服、野生を生き抜く昆虫の羽や触覚風のディテール。今季もこれらは変わらず、ラテックスのような半透明な素材使い、明るい水色や白の色使いからたくましく同時に軽やかだ。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員