ビューティ

9年間で売り上げ約100倍で今期も前年比42%増 “メンテナンス美容室”が躍進中

 シーアンドピー(C&P)が展開する“メンテナンス美容室”「チョキペタ(CHOKIPETA)」は、同社を傘下に持つアルテサロンホールディングスが発表した2019年12月期決算により、売り上げの前年同期比42%増と大きく伸長したことが分かった。

 同美容室は11年7月に第1号店をオープンして以来、首都圏と一部関西に出店を進め、売り上げは9年間で事業開始当初の約100倍と成長している。2月21日に東京都大田区「チョキペタ エトモ鵜の木店」をオープンし、同店をもって店舗数の合計は60店舗となった。

 「チョキペタ」は、伸びた分だけカットやカラー(白髪染め専門)を施し、いつものきれいな状態をキープするという“メンテナンス”のサービスを提供する“メンテナンス美容室”だ。料金はカット&ドライが1182円、根元カラーが1727円(ともに編集部調べ)と手頃で、“早い!安い!親切!丁寧!”をコンセプトにしている。

 利用者の多くは40代後半~60代の女性。顧客の利便性を図るため、普段の生活動線上に美容を取り入れやすくする目的で、出店場所は主にスーパーの店内としている。予約は不要、会計は券売機で事前精算、オートシャンプー機によるシャンプーやセルフブローブースの設置など、美容室としては珍しい仕組みを取り入れ、安さを実現しながら満足度を高めるためにさまざまな工夫をしている。

 休眠美容師を積極的に採用していることも特徴の1つで、全体の約48%のスタッフが元休眠美容師だ。休眠美容師とは、美容師免許を取得しながら美容業に従事していない人たちのことで、全国に75万人以上いると推定されている。

 休眠美容師には、結婚や妊娠、病気などを理由にサロンワークから離れていた人が多く、復職の際につきまとうのがブランクで生じる技術に対する不安だ。そのため同美容室では、休眠美容師を雇用するにあたり、実際に店舗に立つ前の技術のチェックや、カラーリストとして店舗で働きながらカット技術の再習得・向上を目指す講習を実施。ブランクがある美容師の技術習得に対するフォローアップを実施している。

 まだまだセルフで行っている人が多い白髪染め市場において、“これくらいの料金できれいい仕上げてくれるなら、簡単だし美容室にお願いしようかな”というニーズをうまくくみ取ったことが同美容室の躍進の理由。そのうえ休眠美容師を活用できる仕組みを整えているため、他の美容室が確保に苦労している人材面での不安も少ない。日本において今後も拡大し続けるであろう白髪染め市場を見据え、関東圏で2023年に100店舗の出店を目指す。

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