1992年生まれのファッションフリーク女子が、ファッション週刊紙「WWDビューティ」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かした「このニュースからはコレが見える」という切り口で、さまざまな記事につぶやきを添えます。
今日のニュース:P.5『ブランドが発売前にデジタル・リアルで“バズ”起こし 消費者がコミュニティでコフレの比較検討』
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読み解きポイント:「販売前のバズと販売後のコミュニケーションが大切」
ニュースのポイント
毎年年末に発売されるコフレは、多くの女性を魅了する。「WWDビューティ」が5ブランドの売れ行き動向を調査したところ、各ブランド共に前年比数十%超えと好調に推移。どのブランドにも共通しているのが、販売前に“バズらせることだ。コフレの世界観を表現した動画を作成したり、店舗のないエリアや主要エリアでポップアップを開催したり、オンライン・オフラインともに施策を打っている。SNS上では販売前からファン同士がコミュニケーションをとりながら比較検討していた。
Azuはこう読む!
化粧品のコフレについては以前「無闇矢鱈なバズらせはいかがなもの?」と書きましたが、今回取り上げられた「ポール&ジョー ボーテ(PAUL & JOE BEAUTE)」「フローラノーティス ジルスチュアート(FROLA NOTIS JILLSTUART)」「NARS」「ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)」「スック(SUQQU)」の5ブランドは、うまいバズらせによってファンもブランドもハッピーな結末を迎えました。中でも「ポール&ジョー ボーテ」の24品入りコスメアドベントカレンダーは、どこに乗せてもバズりそうな圧巻のインパクトと、「毎日開けるから毎日コンテンツになる」という投稿素材として最強のコスパの良さで、個人的には総合優勝です。
化粧品を買うときは美容雑誌から有名人・一般人のSNSまでさまざまなコンテンツを参考にするのですが、常に「自分が、なぜそれを買うに至ったか」を買った後に考えるようにしています。最近だと「オルビス(ORBIS)」が昨年発売し「肌のトクホ」と話題になった「オルビス ディフェンセラ」を【SNS広告→ECランディング→初回キャンペーン認知→アプリDL→会員登録→購買】というデジタルマーケティングのお手本のような購買導線でちゃっかりゲット。さらにその後の購買体験や製品の良さ諸々に感動したので、アットコスメトーキョーのポップアップで新製品を購入するなど、優良新規顧客になっています(笑)。
「オルビス」の例もそうですが「販売(購入)前」だけでなく「後」もいかに興味関心を継続させるかが重要です。1つの特大のバズではなく、販売前の適量バズと販売後の顧客ケア・コミュニケーションのバランスが大事。例えば、販売前のバズによって生まれたファン間のコミュニケーションを見ればどのブランドと比較検討されているのかわかるし、販売後もレビューを見ればコフレの中でも人気品番がわかります。もし私がブランド担当者だったらそれをみて、コフレの人気品番と既存品を合わせたメイクを提案してプラス買いに繋げたいかな〜などと思いました。そうすることで買った後の体験も設計できるのかなと。
化粧品ブランドと消費者の関係性構築にはデジタル・リアルの双方が欠かせず、ますます複雑になっていますが、大切なのは消費者とコミュニケーションをしっかり取ることだと思います。当たり前だけど、上から目線にならずに。
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne