TSIホールディングスは28日、シンガポールに拠点を置くファッション関連スタートアップ企業への投資ファンド「ライラ30ファンドLP(LYRA 30 FUND LP)」にリミテッドパートナーとして出資すると発表した。出資額は非公開。TSIは同ファンドを通じて世界の先端的なスタートアップ企業とのネットワークを築き、ファッションテックなどとの新しい事業ノウハウの共有やアライアンスにつなげる。
同ファンドを運営するライラベンチャーズは2020年1月設立。ファッション分野の先端企業に強いのが特徴だ。
ライラ30ファンドLPによる実績としては、米国でD2Cブランドのショールーミングストアを展開するネイバーフッド グッズ(Neighborhood Goods)へ出資したことでも知られる。EC販路が主力のD2Cブランドを集め、実際に商品を見たり触ったりできるショールームを米国で展開。スタッフも自前で用意する。2020年2月現在、テキサス・ダラスとニューヨークに店舗を構えている。
TSIの上田谷真一社長は、ネイバーフッド グッズに代表されるグローバルな先端事業との接点を増やすため、同ファンドを活用する考えだ。「これからは従来型のアパレルビジネス一本足では生き残れない時代がやってくる。グローバル × デジタルをキーワードにスタートアップのノウハウを取り入れつつ、われわれのDNAを生かした新しいビジネスの柱を作ることが必要と考え、出資を決めた」と話す。