ファッション

「エンフォルド」が海外で新展開 植田みずきが語るパリで初のプレゼンテーションを行った理由

 「エンフォルド(ENFOLD)」は2月29日、パリでブランド初となるプレゼンテーション形式でコレクションを発表した。会場となったのは、「エンフォルド」の海外ビジネスパートナーであるトゥモロー(TOMORROW)のショールームだ。

 会場の中心にはタイツで覆われたミロのヴィーナス像を設置し、展示されたコレクションピースもバラの花やフルーツと一緒にタイツで覆い隠すことで、年齢を重ねるにつれて輝く内側の美しさと、日本の「隠された美」という美学を重ねたブランドコンセプト、“hidden beauty”を表現。改めて海外に向けて打ち出した。

 プレゼンテーションに登場したのはダンサーのアオイヤマダ。彼女もタイツとコレクションピースで体を覆い、即興でダンスを披露した。なお、別会場のトゥモローのショールームでは展示会も行なった。

 2012年設立の「エンフォルド」は14年にパリで初めて展示会を行い、これまで展示会形式でコレクションを見せてきた。また日本のほか、上海のITやロサンゼルスのフレッドシーガル(FRED SEGAL)、ロンドンのリバティ(LIBERTY)でもインスタレーションは行ってきたが、プレゼンテーション形式でコレクションを見せたのは初めてだ。

 このタイミングでプレゼンテーション形式で発表した理由について、植田みずきクリエイティブ・ディレクターは、「エンフォルド』は国内の主要百貨店ではほぼ取り扱いがある。今後、海外でブランドを拡大することを視野に入れ、まずはパートナーであるトゥモローのショールームで、ブランドコンセプトを表現するプレゼンテーションを行うことにした」と語る。ブランドは21年に設立10年を迎えるが、これに向けてまずはブランドを知ってもらうことが狙いだ。今回をプレゼンテーション第一弾とし、今年9月からは規模を少しずつ拡大する形でコレクションを披露したいという。今後、ランウエイショーでコレクションを見せる可能性について植田クリエイティブ・ディレクターは、「ランウエイショーへの憧れはあるけど、ものすごくお金がかかる(笑)。まずは身の丈にあった形でコレクションを見せ、徐々に大きくしたい」とコメントした。

 パリでも新型コロナウイルスの感染拡大でショーをキャンセルするブランドが出る中での発表となったが、「そもそも(パリに)行っていいのか」と悩んだという。しかし「チャンスを逃せないと思った」とプレゼンテーション実施を決め、必要最小限のチームで渡航し、最大限の効果を発揮できるように万全の準備を整えた。当初館全体を使って実施予定だったプレゼンテーションも一部の部屋を使うように変更した。また多くの中国人バイヤーが渡航をキャンセルしたが、来場できなかったバイヤーにはラインシートやコーディネートを組んだ状態でモデルが着用した写真などを送ることでフォローし、可能であれば一部サンプルも送る。生産に関しては、生産をほとんど日本国内で行なっているため、影響はあまりないが、一部の中国で生産しているアイテムには影響が出そうだという。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。