3月1日に開催された「東京マラソン 2020」で、大迫傑選手がナイキ(NIKE)の新作厚底シューズ“エア ズーム アルファフライ ネクスト%(AIR ZOOM ALPHAFLY NEXT%)”を着用し、自身が2018年に記録したタイムを21秒上回る日本新記録の2時間5分29秒で日本人トップの全体4位に入った。今大会は、東京2020オリンピック・パラリンピック日本代表選手の選考も兼ねており、8日に行われる「第75回びわ湖毎日マラソン大会」で大迫選手の記録を上回る選手が現れない限り、大迫選手が代表に内定する。
“エア ズーム アルファフライ ネクスト%”は、ナイキが17年から発表している厚底シリーズの4代目となる最新作。前足部にナイキを代表する「エア」に着想した「ズーム エア ポッド」を搭載し、ミッドソールにはカーボンファイバープレートを内蔵するなど、従来モデルと比較しクッション性や反発力が大きく向上したシューズだ。昨年10月には、ケニアの男子フルマラソン選手エリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge)が人類初の“2時間切り”となる1時間59分40秒を達成した際に、同シューズの試作品を履いていたことでも話題になった。また、同シューズをはじめとしたナイキの厚底シリーズを着用した選手が、世界記録更新など軒並み好タイムを記録したことを受け、ワールドアスレチックス(世界陸連)が厚底シューズの機能を規制する新ルールを設けるなど、ランニングシューズ市場で大きな関心を集めていた。
今大会では大迫選手のほか、日本人では井上大仁選手が同シューズを着用。大会2連覇を果たしたビルハヌ・レゲセ選手や2位のバシル・アブディ選手、設楽悠太選手、女子優勝のロナー・チェムタイサルピーター選手は箱根駅伝で注目を集めた前作“ズームX ヴェイパーフライ NEXT%(ZOOMX VAPORFLY NEXT%)”で臨み、女子日本人トップの10位に入った山口遥選手はアシックス(ASICS)のシューズだった。
大迫選手はゴール後、「ずっと狙っていた大会で、勝ちたいという気持ちだけでやってきた。非常に苦しい戦いだったが、しっかりと走れてよかった。『びわ湖』の結果次第だが、自分自身ではベストを尽くせたので、あとは待つだけ。五輪が決まれば、元気を与える走りをしたい」と涙をにじませながらコメント。東京2020の男子フルマラソンには3選手が出場予定で、昨年9月に行われた「マラソングランドチャンピオンシップ(Marathon Grand Championship)」で中村匠吾選手と服部勇馬選手が代表に内定している。
なお“エア ズーム アルファフライ ネクスト%は”、特定のランナーを対象に本日から販売されている。