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新型コロナ禍が引き起こすファッション業界「5月危機」

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 中国・武漢でアウトブレイクした新型コロナウィルスは、23カ国3200社以上が出展予定だった「インターテキスタイル上海」とイタリアで感染の急拡大後は約38万人が訪れるミラノの家具見本市「ミラノサローネ」、アイウエアの世界最大級の見本市「ミド」を開催直前に延期に追い込んだ。日本でも最大級のファッションイベントである2月29日開催の「東京ガールズコレクション」が無観客開催という異例の事態になり、楽天が冠スポンサーを務める「楽天 ファッション ウィーク 東京」も3月2日の正式発表を前に、すでに主力ブランドの一つである「タエアシダ」に加え、「マラミュート」などの新進気鋭ブランドなどがショー取りやめを相次いで発表しており、開催が危ぶまれている。すでに上海とソウルはコレクションの中止を発表済みだ。日本政府も2月26日になって大型イベントの自粛を呼びかけており、今後も大小含めしばらく中止、あるいは延期になるイベントが相次ぐことは必至だ。大型イベントの相次ぐ中止と延期は、観光客激減による免税売り上げの減少も相まって、すでにスタートしているアパレルの春夏商戦にも大きなダメージを与えることはほぼ確実だ。(この記事はWWDジャパン2020年3月2日号からの抜粋です)

 その一方で強力な封じ込め策が奏功したのか、中国政府発表ではあるものの中国では新規感染者の数が激減に転じている。春節(旧正月休み)が2月9日まで延び、一部では物流の混乱などが見られたものの、中国に複数の巨大な生産拠点を構える東レは「ほとんどの生産拠点は、需要に応じた稼働に戻っている」とするなど、新型コロナ騒動が一部では収束に転じつつあるようにも見える。

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