マークスタイラーの「ラグナムーン(LAGUNAMOON)」が好調だ。売上構成の35%を占める主力商品のドレスを扱う “レディーレーベル”が、2020年2月期に前期比20%増と大きく伸長しけん引した。エレガントで見栄えのいいデザインでありながら、機能性にも配慮したディテールや値ごろな価格が、20代後半以上の女性に支持されている。
同ブランドが、大人の女性に選ばれるドレスの前提条件として考えるのが、「好みやシーンに応じた着回しができること」「値ごろな価格帯」(西沢千春プレス)だ。ワンピースを主軸に、オールインワン、セットアップなどをバランスよく取り扱っており、いずれも1万8000~2万7000円と手が届きやすい価格帯に設定している。
店頭で実物を見た客からは、「女性らしさを引き立てる優美なシルエット」に加えて「スマートな機能性」への反応もいい。ワンピースは腰位置を高く設定し、同時にウエストマークとなるディテールで脚長効果を発揮。「華やかさがありながら、大人の肌に馴染むオリジナルの色使い」にもこだわっている。さらにワンピースにはスリットポケット、ベアトップのオールインワンにはウエスト調整できるアジャスターを内側に施すなど、デザインを邪魔しない気の利いたディテールも購買の決め手になっている。
20年春夏は女優・アーティストののんをモデルに起用したビジュアルブックを制作し、店頭で配布を開始した(なくなり次第終了)。ビジュアルブックでは、「ラグナムーン」のドレスをまとい、無垢な少女から大人の女性へと変貌を遂げるのんの姿を捉えた。海岸や林野などの自然を舞台に、凛とした表情を見せる彼女の都会的な魅力が、コントラストを浮き立たせている。「われわれのドレスをまとい、コンテンポラリーダンスを踊るように、自由に内面を解き放つ女性の姿を表現できた」。ブランドとしては、ドレスを明確なペルソナ像や世界観とともに打ち出すことで、大人の女性が憧れるドレスとしてのポジションを固める狙いだ。
20年秋冬には、“レディーレーベル”の中で新たなドレスのカテゴリーを設け、ラインアップのさらなる拡充を予定しているという。