東京のウィメンズブランド「ミスターイット(MISTER IT.)」は3月17日まで、グザヴィエ・ドラン(Xavier Dolan)監督による新作映画「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」とコラボレーションしたインスタレーションを伊勢丹新宿本店本館3階で開催中だ。
劇中で重要な役割を果たす“手紙”をキーワードにしたアートフレームの展示とともに、「ミスターイット」の2020年春夏新作を販売している。今季はシャツに特化したコレクションで、“身近な人のために服を作り、ちょっとした気遣いをデザインに入れる”というブランドのコンセプトが反映されている。ラインアップは“髪を切るタイミングを逃してしまう友人”のためにデザインした、髪を切るタイミングが背中に記されたシャツ(4万2900円)や、“指輪をすぐなくす友人”に向けた指輪を収納できる仕掛けのあるシャツワンピース(7万1500円)など。
会期中に商品を購入し、三越伊勢丹アプリをダウンロードした人、または3万8500円以上の購入者から先着50人には「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」の鑑賞チケットをプレゼントするほか、同アプリをダウンロードした先着270人に「ミスターイット」と同作のコラボを記念したオリジナルポストカードをプレゼントする。
映画「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」は、ドラン監督が8歳の頃に映画「タイタニック」に出ていたレオナルド・ディカプリオ(Leonard DiCaprio)に憧れてファンレターを出したという思い出をヒントにした物語。少年ルパート(ジェイコブ・トレンブレイ/Jacob Tremblay)が人気俳優ジョン(キット・ハリントン/Kit Harington)にファンレターを送ったことをきっかけに文通が始まるが、手紙が100通を超えた頃にジョンが謎の死を遂げる。ルパートだけが知る手紙につづられた秘密から、ハリウッドの光と闇を描いたヒューマンドラマだ。
今回のインスタレーションについて、デザイナーの砂川卓也は「普段会えないような人とつながれる仕掛けをつくれたらと思った。デザイナーの言葉ではなく、普段届けられない実際に洋服を縫っている方々の声をお客さまに見てもらうことで、実際に作り手とお客さまをつなげられたらと考えた」とコメントしている。
砂川は、エスモードパリを卒業後、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のウィメンズとオートクチュールのデザインチームで経験を積んだデザイナー。元同僚に感謝をこめて、パーソナルな思い出から着想した服をプレゼントしたことをきっかけに「ミスターイット」を15年に立ち上げた。これまでに出会った身近な人に向けて服作りをし、その人が喜びそうなちょっとした気遣いを取り入れたデザインアプローチが特徴だ。
■mister it.×「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」
会期:3月4日~3月17日
場所:伊勢丹新宿本店本館3階=インターナショナルクリエーターズ/リ・スタイル
住所:東京都新宿区新宿3-14-1