日本アパレル・ファッション産業協会(北畑稔理事長)は、東京都内で開催予定のファッションやアート、音楽をテーマとしたカルチャーイベント「東京クリエイティブサロン」(3月15~31日)の大幅な規模縮小を10日発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた決定で、渋谷、銀座、代官山など各エリアで実施予定だったランウエイショーやアーティストの音楽ライブなどを軒並み中止する。
同イベントの実行委員長はオンワードホールディングスの廣内武名誉会長が務め、実行委は同社のほか、三越伊勢丹、三菱地所、三井不動産、東急の計5社で構成。開催エリアは日本橋、丸の内、銀座、渋谷、代官山に分かれ、実行委の5社がそれぞれのエリアで独自のテーマを設けてイベントを企画・運営する。
今回の規模縮小の決定により、丸の内、銀座エリアでは、新進気鋭の日本人デザイナーや商業施設の参加が予定されていたファッションショーの中止を決めた。イベント実施の可否の判断はエリアを担当する実行委の企業に委ねられており、渋谷、代官山エリアについては未定。だが、「ショーや音楽ライブなど、大勢の方々が一堂に集まるようなイベントの実施は難しい」(東京クリエイティブサロン広報)との見方だ。
そのほか、15日には丸の内でアーティスト・シシドカフカのライブパフォーマンスなどを盛り込んだキックオフイベントを予定していたが、これを中止する。都内の回遊を狙ったスタンプラリーも実施しないことを決めた。
東京五輪を前に海外観光客の増加を見込み、東京をカルチャーの発信拠点として存在感を高めていく狙いで、都の支援を受けて実施へ動いてきた同イベント。だが、その役割を果たすことが難しくなった格好だ。