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追記:テレワークはできない ヘアサロンの新型コロナウイルス対策は?

 【追記4月9日】新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の緊急事態宣言が8日に発効された。関東を中心に休業を表明する美容室が多くなっているが、状況が刻々と変化してきており、あらためてサロンでやっておくべき対策を紹介する。

 サロンでは、毎朝の検温(37.5度以上なら自宅待機)、マスクの着用、美容師のこまめな手指の消毒、施術毎の器具の消毒、施術毎のセット面の消毒、扉やレセプションなどお客が触れる場所のこまめな消毒、こまめな換気。また、サロン内で人の密度が高くならないように、予約の制限、シフト制にするなど可能な限り最小のスタッフで営業、可能ならマンツーマン施術、施術はとなりのお客と1席以上空ける、シャンプー中の会話禁止。

 お客に対しては、来店時の検温(37.5度以上の発熱や、せきや喉のいたみなど体調がすぐれない人には予約の変更をお願いする)、入店時の手指消毒、施術中の(お客自身の)マスクの着用を許可。また予約の際に2週間以内に海外渡航歴のある人や感染が疑われる人と接した人には2週間後以降に変更をお願いする。

 ビューティ企業の中には新型コロナウイルス対策としてテレワークを推奨しているところも多いが、どうしても接客が必要なヘアサロンではどのような対策を行っているのだろうか。今回、「アッシュ(Ash)」「ウカ(uka)」「カキモトアームズ(kakimoto arms)」「ダブ(DaB)」「リム(LIM)」に聞いた。

 まず、基本的な対策として「マスクを着用しての施術」「アルコール消毒液の設置」「手消毒、手洗いの徹底」「お客へはアルコールによる手指消毒の推奨」などは共通して挙げられる。加えて「アッシュ」や「リム」は、毎日スタッフへの検温を義務付けており、「リム」では37.5℃以上の場合は自宅待機となる。

 またサロン内の消毒も、「1時間ごとにサロン各所の消毒」(「カキモトアームズ」)、「施術ごとに器具を消毒」(「ウカ」)、「掃除の際に次亜塩素酸水を使用しての拭き掃除の徹底。扉やレセプションカウンター、セット椅子をこまめに拭き掃除」(「ダブ」)といったように細心の注意とともに行っている。

 1月末から新型コロナ対策を徹底していた「カキモトアームズ」は、「マスク、携帯用消毒スプレー、首にかけるウィルスバスターを全員分支給するなど、早めに行動することで必要な材料を確保できた」という。「ウカ」では全技術者がポケットに「ウカ」のミストを入れており、「施術前のカウンセリング時に自分とお客さまの手にスプレーすることで、お互いの洗浄を確認でき、安心して施術に入ることができる」という。

 さらに営業以外でも「社内集会、勉強会、打ち合わせは3月末まで禁止。交流会、食事会、カラオケ禁止。海外出張は夏まで禁止。感染者の多い地域へのプライベートな渡航禁止」(「カキモトアームズ」)、「同じ『リム』でも他店舖のスタッフとの交流禁止」(「リム」)というように、社内交流も禁止しているサロンもある。これは、最悪の場合1店舗が営業停止になってしまっても、もう1店舗で営業を続けるためだ。

 顧客に対してはサロンのホームページやSNS、電話での予約時などに、感染の可能性がないかを確認しているところが多い。「中国・韓国渡航者、接触者、発熱している方のご予約は3週間後にお取りする旨をアナウンス(すべてのお客さまに確認、ウェブ&店頭告知)」(「カキモトアームズ」)、「2週間以内に、中国への渡航歴がある人、または2週間以内に『中国での滞在歴があり、発熱かつ呼吸器に何らかの症状を有する人』との接触があった人には予約の変更をお願いしている」(「ウカ」)、「1カ月以内に中国渡航歴のある人や、『中国での滞在歴があって感染の疑いがある人』と接触した人、また来店時には全てのお客さまに検温をお願いし37.5℃以上の人には2週後の来店を促している」(「リム」)、「発熱や咳など体調がすぐれないお客さまには予約の変更を依頼している」(「アッシュ」)など、少しでも感染リスクがある人の予約は2週間後以降への変更をお願いしているケースが多い。

 実際の営業面では、多くのヘアサロンはそれほどインバウンド比率が高くなかったこともあり、2月は大きな影響を受けなかったが、一部のヘアサロンでは3月に入って徐々に予約のキャンセルが増えてきているという。また3月はヘアカラーの需要が高まるなど、ヘアサロンにとっては繁忙期なのだが、今回の新型コロナの影響で、今後どれだけ売り上げに影響が出るのか、まだ不透明な状況だ。

 またヘアサロン業界全体としては、3月はメーカー主催による美容師向けセミナーがほとんど中止となっている。最近は中国の美容師に向けたセミナーなども活発だった。一部でオンランセミナーに切り替えるといったケースもあったものの、今回の事態でほとんどがキャンセルとなった。国内外合わせて月5本近くセミナーを行うサロンもあり、セミナーキャンセルによる収入減は大きいという声も聞かれた。今回の事態を受け、以前から話題となっていた美容師向けのオンラインセミナーに本格的に取り組むメーカーも増えてきそうだ。

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