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「コーチ」のCEOが退任

 「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK以下、ケイト・スペード)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を擁するタペストリー(TAPESTRY)は3月9日、ジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)=コーチ プレジデント兼最高経営責任者(CEO)が引き継ぎ期間後に退任することを発表した。同氏は2017年6月に就任。後任は決まっておらず、当面はジデ・ザイトリン(Jide Zeitlin)=タペストリー会長兼CEOが統括する。

 ザイトリン会長兼CEOは、ビクター・ルイス(Victor Luis)前CEOが19年9月に退任したことを受けてCEO職を兼務しているが、今回の発表では現職を今後3年間にわたって続投することも併せて発表した。同氏は、「CEOに就任して以降、傘下ブランドの事業や業績について調査を行い、当社についてさらに理解を深めることができた。今後はその結果を参考にしつつ、当社の優れたチームと引き続き連携し、真の意味で消費者中心かつデータ主導の企業へと進化するために尽力する。傘下の3ブランドには一貫した魅力があり、それぞれ成長機会がある。各ブランドの可能性を最大限に引き出し、株主利益も拡大していく所存だ」と語った。

 また、同氏は退任するシュルマン=コーチ プレジデント兼CEOについて、「ジョシュアが発揮してくれたリーダーシップに心から感謝している。私は『コーチ』というブランドを深く愛しているし、今は劇的な改革をするべきときではない。経験豊富で優秀なコーチの経営陣やクリエイティブ・ディレクターのスチュアート・ヴィヴァース(Stuart Vevers)と協働してブランドをさらに強化し、顧客に素晴らしい製品やサービスを提供していきたい」と述べた。

 タペストリーでは最近、経営陣の人事異動が続いている。ケイト・スペードでは、19年12月にアナ・バクスト(Anna Bakst)元CEOが退任し、ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)=タペストリー最高財務責任者が暫定的に責任者となっていたが、20年3月1日付でリズ・フレイザー(Liz Fraser)=アン・クライン(ANNE KLEIN)前CEOがその新プレジデント兼CEOとして就任した。また3月1日付でエラルド・ポレット(Eraldo Poletto)=スチュアート・ワイツマン前プレジデント兼CEOが退任したことを受け、ジョルジョ・サルネ(Giorgio Sarne)=タペストリー・アジア前プレジデントがその後任に就いている。

 新型コロナウイルスの影響に関して、同社は20年上期の売上高が2億〜2億5000万ドル(約208億〜260億円)減少すると見込んでいる。これは中国本土で展開するおよそ250の店舗の多くを一時的に休業していることが主な理由だが、今のところ北米の店舗を休業する予定はないという。ザイトリン会長兼CEOは、「新型コロナウイルスがいつ収束するかは分からないが、今後も注視の上で対応する。当社の傘下ブランドはいずれも確固たる地位を築いており、財務状況もいい。いずれ事態が落ち着けば、事業も元通りになると確信している」と説明した。

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