グッチ(GUCCI)は、自社のすべての製造拠点を3月20日まで閉鎖すると発表した。イタリアでは3月11日夜(現地時間)、ジュゼッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相が薬局や食料品店など生活必需品を取り扱う店を除く全ての店を4月3日まで休業とすることを発表している。同社はこの対応を“従業員の健康と安全を守るためのさらなる予防措置”だとしている。
グッチはトスカーナ州とマルケ州に合わせて6つの製造拠点を抱えている。同社のスポークスマンは「今後の営業活動を保障するために重要業務は引き続き行っていく。そのため、今回の製造拠点の一時的な閉鎖による顧客への製品供給に影響は出ない。弊社は絶えず状況を注視しており、素早い対応と必要に応じたさらなる措置も検討している。一時的に今回のような措置を取ることで、一刻も早く通常通りの業務再開につなげていきたい」と語った。
新型コロナウイルスの感染拡大により、イタリアでは3月9日から国内全域での移動制限が発動されている。イタリア当局の決定に基づき、グッチではすでにイタリア国内のオフィスで働く全従業員に対し、可能な部署では在宅勤務などフレキシブルな働き方を要請しており、月曜日から木曜日の週4勤務制度も導入しているという。
法令により、イタリア国内では全てのブランドの実店舗が4月3日まで休業となるが、オンラインストアは世界各地の顧客サービス・センターのサポートを通じて営業を続けている。スポークスマンは「従業員、顧客、サプライヤーの健康と安全、そして幸福を最優先にする。われわれは、この難しい状況に直面しているすべての人や地域と共にある」と締めくくった。
3月13日現在、イタリアでは新型コロナウイルスの感染者数が1万5113人に上り、死者は1016人となっている。