ファッション

神戸のウィメンズ靴「マミアン」のベージュにこだわったシリーズが10周年 「ファンデーションのように肌を美しく見せる」で人気

 ウィメンズシューズブランド「マミアン(MAMIAN)」の、“履くコスメ”のようなシリーズ“アイコン2 ファンデーションズ(ICON2 FOUNDATIONS)”が、誕生から10周年を迎えた。「まるでファンデーションを選ぶように自分にぴったりのカラーのパンプスを見つけてほしい」とベージュにこだわったシリーズで、毎年さまざまなベージュカラーを生み出し人気を集めている。“アイコン2 ファンデーションズ”を作るのは、西の靴の産地である神戸市で長年OEM・ODM生産を行なってきたマミアンだ。マミアンが自社ブランドでこだわることとは。

WWD:自社ブランド「マミアン」を立ち上げた理由は?

マミアン商品企画担当者(以下、企画担当者):「マミアン」を立ち上げたのは2006年です。それまで30年近く製造・卸を行ってきましたが、せっかく自分たちで靴を作れる環境があるのに、取引先に依存するOEM・ODM生産や卸しか行わないのはおかしいという思いがありました。また当時は靴の製造の依頼を工場や仕入先を日本(神戸)から、中国に変更していった時代で、メーカーとして卸すというメインの事業が縮小していくことが目に見えていました。ネット通販だったら、無名の靴メーカーでも比較的低リスク、低コストで自社ブランドを販売できるのではないかと立ち上げました。

WWD :ほかのブランドにはない強みは?

企画担当者:まず、自社ブランドを製造するラインを、既存ラインとは別で作るなど、社内環境、EC事業の環境を作ることに苦労しました。ただ、靴業界全体をみても、自社工場で自社ブランドを製造、販売しているブランドは少ないと感じています。納期や需要への素早い対応ができるのはほかにはない強みです。

WWD:現在の販路と売り上げはどうでしょうか?

企画担当者:現在、自社ECに加え、神戸に直営店を1店舗展開しています。売り上げは、2019年は前年比40%増と好調で、毎年30〜40%増で推移しています。

WWD:誕生から10周年を迎えた“アイコン2 ファンデーションズ”は、「マミアン」の看板商品の一つになっています。立ち上げた理由は?

企画担当者:「マミアン」の中の“アイコン”シリーズは、機能性パンプスとして打ち出しています。“アイコン”のブラックパンプスは好調でしたが、もっとデイリーに履ける素材を提案してみたいと感じ、一般的なカラーであるスムース素材のベージュを差し込んでみたんですが、あまり売れず……。ですがヌードベージュ、ヌードカラーなどの需要が高まっており、お客さまからエナメルのベージュがほしいという声が多くあったんです。加えて、ベージュの靴に対して、お客さまの声に「私の足の色には合わない」「もっと赤みのあるベージュが好き」「もっと明るいベージュがほしい」などがあり、ベージュといっても幅が広いことがわかりました。

実際、ベージュのパンプスを履いている女性を街中で見たときに、足と近い色味であればあるほど、足が長くきれいに見えることも感じたんです。そこから、「足の肌の色に合わせてベージュの靴を選べたら嬉しいのでは?」という発想から、肌と関連つけた提案、「まるでファンデーションを選ぶように、自分のカラーが見つかります」という思いから、ネーミングも考えました。足が痛くなりにくい全面クッションや、外反母趾でも指周りが痛くなりにくいアッパー裏メッシュ加工、雨でも滑りにくいグリップ加工底を採用しているので、もちろん美しさだけでなく、快適さも備えています。

WWD:“アイコン2 ファンデーションズ”10周年で、“グレージュ”8色(スムース3色、エナメル3色、スエード2色、各8900円)を提案しています。それにより、テーマも“肌を美しく見せる”に変更した理由は?

企画担当者:定番アイテムでも新しい要素をプラスしていきたいと考えています。“肌の色とマッチする”を基本テーマとしていましたが、最近はヌーディーすぎるのも好まれない傾向にあります。またきれいすぎるモノ、女性すぎるモノが時代に合わないかもしれません。“肌を美しく見せる”をテーマに広げることで、グレージュを提案することができました。

WWD:10周年で行うことは?

企画担当者:3月17日まで公式ECで期間限定キャンペーンを行なっています。7000円以上購入で1500円のクーポンを配布、1万円以上で送料無料です。“アイコン2 ファンデーションズ”はもちろん、20年春夏の新作も対象です。4月からの新生活に向けて、足元を彩る1足を自粛ムードで自宅で過ごす時間の中でわくわくしながら選んでほしいと思っています。また17日まで阪急神戸店でポップアップストアも開いています。

WWD:今後の目標は?

企画担当者:ブランドの認知度はまだ低いブランドですが、それでも街中で「マミアン」を履いている人を見かけると嬉しく達成感を感じています。今はまだ工場サイドの意向が大きく、商品企画においてもそれが反映されているのが現状です。今後は、売り場の声を全面に取り入れ、お客さまの声やトレンドを反映した商品づくりを行なっていきたい。加えて、「マミアン」と検索してくださっており、実際に手に取り感じたいという人がいらっしゃることからも、ポップアップの機会なども増やしたいと思います。

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