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日本最大のインポート生地展にキャンセル相次ぐ、イタリアからサンプル届かず

 日本輸入繊維代理店協会(JITAC)は3月17~19日、2021年春夏向けの「ヨーロピアン テキスタイル フェア」を東京・渋谷のベルサール渋谷ガーデンで開催している。イタリアやフランスなど欧州のテキスタイルメーカーの日本の代理店70社が出展予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、レダ ジャパン、ゼニアジャパン、八木通商、エム・ウエダなど有力企業を含む18社が出展を取り止めた。

 JITACの会長を務める内沼隆治ウチヌマ社長は「イタリアのテキスタイル、特にメンズ向けの生地をメーンに取り扱う代理店のキャンセルが相次いだ。主な理由はイタリア人がサンプルを持って来日できないことだ」と語る。難しい状況の中で開催した理由は「この状況でやっていいのか、という考えは皆の中にもちろんあった。それを理由にキャンセルした企業も多いだろう。一方で、大阪のエージェントはこれを逃すとサンプルをバイヤーに見せる機会がなくなる。開催した一番の理由はここにある」と言い、「対面の商談というよりは、サンプルを見ていただく場。ウイルス感染のリスクは低いと判断した」と語る。

 会場入り口にはアルコール消毒液や、除菌効果のある空気清浄機を設置。受付スタッフはマスク着用で、クロークスタッフはマスクに加えて手袋を着用して対応している。「われわれはイベントの運営会社ではないため、消毒液やマスクの調達なども苦労した。われわれのような組織は本当に弱いと痛感した」とも明かす。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響については、「イタリアとフランスの工場の多くが閉鎖しており、現況ではデリバリー予定の生地の到着は1カ月遅れる。特にフランスの工場は国の方針で大手が2週間操業を停止している。イタリア政府は経済活動は止めない方針なので、工場スタッフは仕事場と自宅の往復はできているようだ」と内沼会長は語る。

 ウチヌマが取り扱うのは英国のファンシーツイードの名門「リントン(LINTON)」の生地で、今のところデリバリーなどに影響はないという。

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