英国のライフスタイルブランド「ローラ アシュレイ(LAURA ASHLEY)」は3月17日、経営破綻して管財人の管理下に入ったと発表した。
近年は業績が悪化しており、以前から資金調達先を探していた。戦略の見直しなどによって3月13日までの7週間の売上高は前年同期比24%増となっていたものの、新型コロナウイルスの影響による小売り環境の悪化が打撃となった。親会社であるマレーシアの企業グループMUIアジア(MUI ASIA)も期限までに資金を用意できないことから、経営再建を断念したという。
「ローラ アシュレイ」は1953年にローラ・アシュレイ(Laura Ashley)とバーナード・アシュレイ(Bernard Ashley)夫妻が創業。イギリスの庭園を思わせるフラワープリントの服などで人気を博したが、90年代以降は消費者の好みの変化などによって売り上げが低迷していた。
日本では86年にイオン(当時はジャスコ)と英ローラ アシュレイ社が合弁でローラ アシュレイジャパンを設立したが、イオンは2018年9月のライセンス満了を受けて同事業から撤退。それと入れ替わる形で、伊藤忠商事が日本市場における独占輸入販売権とマスターライセンス権を取得した。19年11月にはワールド傘下のワールドライフスタイルクリエーションが伊藤忠とサブライセンシー契約を結んでおり、20年秋から「ローラ アシュレイ」のライセンス商品の取り扱いを開始する予定だ。
伊藤忠は今回の破綻について、「日本での展開に影響はない。当社はより一層のブランド価値の向上と展開の拡大に力を入れる」とコメントした。同社は英国から商品を輸入する独占輸入販売権も持っていたが、日本ではライセンスがメーンで、インポート品は僅かだったようだ。またワールドは、ライセンス契約の変更などについて「現時点ではない」(同社広報)としている。