東京オリンピックで新たに競技として認定され、世間からの注目が高まるサーフィン。そんなサーフィン界で頭角を現すプロ選手の高橋みなとはサーファーの両親の元に生まれ、小学3年生のときにサーフィンをスタート。高校3年生のときにプロの資格を取得し、26歳の今も第一線で活躍している。そして今春、「ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)」の新たなアンバサダーに起用された。ベストセラーファンデーション「インテンシブ スキン セラム ファンデーション SPF 40(PA++++)」の発売5周年を記念するキャンペーンの一環で、ブランドとともに全ての女性が自身の魅力に気づき、自分ならではの美しさを讃えるメッセージを発信する。
サーフィンは自分のスキルや経験だけでなく、天候などさまざまな条件に自分の感覚を掛け合わせて戦うスポーツだ。見た目のかっこよさの裏には突き詰めた精神力があり、メンタルの強さも問われる。それはまさに、内面的な美しさを提唱する「ボビイ ブラウン」のフィロソフィーとも共通する。今回アンバサダーに選ばれた高橋選手に、女性アスリートとしての内面の強さや美の捉え方について聞いた。
WWD:サーフィンを始めたきっかけは?
高橋みなと選手(以下、高橋):父がサーファー、母がウイングサーファーだったので、幼少期から毎日海に行くのが当たり前でした。名前のみなとも地元の仙台新港からきているくらいです。小学校3年生のときにサーフィンを始め、高校三年生のときにプロの資格を取り、今も日本プロサーフィン連盟のプロサーファーとして活動しています。
WWD:オリンピックで公式種目に選ばれて以来、サーフィンへの注目も高まっている。
高橋:サーフィンって肌も髪も焼けるし、“チャラチャラ”したスポーツと思われがち。オリンピックの種目が決まったときも新聞の見出しは「まさかのサーフィンが公式種目に」という書かれ方でした。それまで認知度が低くてこういった一方的なイメージがついたのかと思いますが、その後取材を受けることも増え、少しずつ世間の見方も変わってきたと思います。最近は女性サーファーや大人になってからサーフィンを始める人も増えてうれしいです。
WWD:女性アスリートはメディアで「美しすぎる〜選手」など、見た目を重視して報じられることもしばしば。女性アスリートとしてこういうのはプレッシャーに感じる?
高橋:プレッシャーには思わないですね。でも本当は見た目ばかりでなく成績を見て欲しいです。今回「ボビイ ブラウン」のアンバサダーに選ばれたのも、普段はすっぴんで海に出ているので最初は驚きましたが、内面的な美しさを見てくださっているのがうれしかったですね。私はサーフィンしているときが一番楽しくて、サーフィンしているときが一番自分が輝く瞬間だと思っています。
WWD:メンタルはどう鍛えている?
高橋:厳しいトレーニングをひたすら積み重ねること。それが自信につながると信じています。ただサーフィンで難しいのは、自然が相手であることです。一度乗った波は二度と来ることはありません。そのときの風の向きや強さ、潮の引き加減、天候などすべての条件が合わさって一つの波になるんです。だから同じ条件で反復練習することができない。例えばスノーボードだったらリフトに乗って同じコースを反復できるけど、サーフィンはリフトに乗るまでも自分でやらなければならないし、同じコースなんて存在しません。天候や波はコントロールできないからこそ、精神力の強さが必要なんですよね。私は何度も波を乗り続けることであらゆるコンディションに合わせて準備しています。でもこれはサーフィンの魅力の一つでもあると考えています。同じ波が二度はないからこそ、一瞬一瞬を大切にします。よく波に乗った感覚について聞かれますが、本当に乗った人にしか分からない、特別な感覚なんです。
WWD:(サーフィンに対する)ネガティブな声もあったりする?
高橋:心配されることはあります。「その年になってまで日焼けしてお嫁に行けるの?」「ゴルフの方が儲かるよ」と言われたりも(笑)。でもそれは人それぞれの価値観であって、心配してくれるのはありがたいのですがあまり気にしていないですね。自分がやりたいことはサーフィン。一番喜びをくれるものを突き詰めれば良いんだと思います。
WWD:理想の女性像は?
高橋:これといったものはないですね。自分は周りに流されるタイプではないので。「私は私」と思える大人になりたいです。
WWD:「自分らしい」サーフィンは?
高橋:「女の子らしいサーフィンだね」と言われるのが嫌いです。逆に「男みたいにパワフルだね」と言われるのが好きで、波の乗り方も少し意識しています。
WWD:これからサーフィンを始めようと思う人にアドバイスをするとしたら?
高橋:いまこうやってサーフィンが注目され始めて、環境も少しずつ良くなっています。私が小さかった頃は、誰かに丁寧に教えてもらえるような環境はありませんでした。今大人に向けてサーフィンを教える仕事もしていますが、今後はガールズサーファーに教える仕事もしたいです。自分が小さかったことにできなかった体験を、未来のサーファーには与えたいですね。またサーフィンはハードなイメージがあるかもしれませんが、実は年齢や性別なく誰でも挑戦できると思います。サーフィンは自然が相手なのでいわゆるゴールもないですし、正解のスタイルもない。自分で新しい技を作るサーファーだってたくさんいます。プロサーファーとして、趣味として、ちょっとした運動として、携わり方もさまざまです。
WWD:今後アンバサダーとして発信したいメッセージは?
高橋:「ボビイ ブラウン」とのパートナーシップは、サーフィンの認知度がさらに上げられるチャンスだと思っています。また、内面の美しさは誰でも持っているもの。外見についてネガティブに考える女性は多いと思いますが、私はサーフィンを通してみんなが内面美に自信を持つきっかけづくりができたらうれしいと思います。