ドン・キホーテは23日、同社初のオフプライスストア業態「オフプラ」を報道陣に公開した。あす24日に愛知県郊外に開業する「メガ ドン・キホーテ ユニー大口店」に、売り場面積960平方メートルで出店。海外で買い付けたアパレルや服飾雑貨の余剰在庫を正価の40〜60%オフで販売する。同社は今年夏に東京・渋谷にも出店する予定で、日本でもオフプライスストアの存在感が増していきそうだ。
「オフプラ」の売り場はドン・キホーテ独自の“圧縮陳列”を踏襲する。分かりやすい商品分類よりも、ジャングルのように雑多な空間を作る。宝探しの感覚で一点物の商品を見つけ出す楽しさを訴求する。天井からは「食品ロスも問題だけど 洋服ロスもヤバイ。」「後で買おうなんて そうは問屋が卸さない!」といった威勢の良いPOPがぶら下がる。
取り扱う約3万3000点のアイテムは、米国や欧州のカジュアルブランドやスポーツブランドが中心になる。「ポロ ラルフローレン(POLO RALPH LAUREN)」「トミーヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ナイキ(NIKE)」「アディダス(ADIDAS)」「チャンピオン(CHAMPION)」「リーボック(REEBOK)」「コーチ(COACH)」「サムソナイト(SAMSONITE)」などが充実している。商品の8割が海外買い付け品、2割がドン・キホーテの既存店の在庫。海外買い付け品のアパレルのうち、約7割が昨シーズン(2019年)の売れ残り、約3割がそれ以前のシーズンの売れ残りとなる。店頭に並べて4週間がたった商品は、再び値下げして消化を促す。メンズ、ウィメンズだけでなく、キッズも充実しており、ファミリー層が楽しめるMDを組んだ。客単価は3000円を想定する。
オフプライスストアは昨年から今年にかけてワールド、ゲオホールディングス、ジョイフル本田などが相次いで参入しているが、ドン・キホーテの親会社パン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングスで同事業の指揮をとる小田切正一・執行役員OPS事業本部長はバイングパワーで差別化すると話す。「ドン・キホーテのバイイングパワーによって海外から山で(大量に)買い付けるため、競争力のある価格で、かつ安定的に供給できる」。
今夏に開く2号店は都心立地の「メガ ドン・キホーテ渋谷本店」内に495平方メートルで出店する。若年層やインバウンドなどをターゲットに、ハイブランドも多くそろえる。それ以降の出店はまだ明らかにしていないが、既存のドン・キホーテのファッションフロアにコーナーとして出すことも計画している。