新型コロナウイルスの感染拡大に対する支援として、ナイキ(NIKE)は従業員が居住・勤務する地域のために、財団や幹部らから総額1500万ドル(約16億5000万円)超を寄付した。
同社は本社を置く米オレゴン州に約1万2000人の従業員を擁しているが、同州においても新型ウイルスの感染は拡大しており、ケイト・ブラウン(Kate Brown)州知事は4月28日まで学校の休校措置を要請している。
新型ウイルスの感染拡大を受けて、ナイキの共同創立者のフィル・ナイト(Phil Knight)名誉会長と妻のペニー(Penny)夫妻、マーク・パーカー(Mark Parker)=エグゼクティブ・バイス・チェアマンと妻のキャシー(Kathy)夫妻、ジョン・ジョセフ・ドナホー2世(John Joseph Donahoe II)社長兼最高経営責任者(CEO)と妻のアイリーン(Eileen)夫妻らは、合わせて1000万ドル(約11億円)を寄付する。
支援金は100万ドル(約1億1000万円)がオレゴンフードバンク(Oregon Food Bank)に、200万ドル(約2億2000万円)がオレゴンコミュニティー財団(Oregon Community Foundation)に、700万ドル(約7億7000万円)がオレゴン健康科学大学(Oregon Health & Science University)にそれぞれ寄付され、オレゴン州全体での協力態勢の強化、患者による受診の促進、新型コロナウイルスの検査態勢の迅速な拡充などに充てられる。
ナイキ財団は、同感染症のパンデミックに対応する国々への支援を目的としてWHO(世界保健機関)が国連財団(United Nations Foundation)およびスイス慈善基金会(Swiss Philanthropy Foundation)と共に立ち上げたCOVID-19連帯対応基金(COVID-19 Solidarity Response Fund)に対しても100万ドル(約1億1000万円)を寄付する。
またナイキ財団は、オレゴン・コミュニティー・リカバリー・ファンド(Oregon Community Recovery Fund)に100万ドル(約1億1000万円)、欧州、中東、アフリカ地域のパートナー支援としてキングボードウィン財団(King Baudouin Foundation)に110万ドル(約1億2100万円)、大メンフィス・コミュニティー財団(Community Foundation OC Greater Memphis)のCOVID-19地域対応基金(COVID-19 Regional Response Fund)に25万ドル(約2750万円)、ボストン財団(Boston Foundation)のCOVID-19対応基金(COVID-19 Response Fund)にも50万ドル(約5500万円)を寄付している。
ナイキは1月にも中国青少年発展基金会(China Youth Development Foundation)に140万ドル(約1億5400万円)を寄付しており、最前線で働く人への医療支援を行ってきた。
また3月19日には、メリーランド州ボルチモアに本社を置くアンダーアーマー(UNDER ARMOUR)が200万ドル(約2億2000万円)の寄付を発表した。寄付金の半分は非営利団体のフィーディング・アメリカ(Feeding America)に、残りの半分はグッドスポーツ(GOOD SPORTS)との“30日間フィットネスチャレンジ”の開催に充てられる。
フィーディング・アメリカへの寄付金は、生活困窮者などに食品を配給する地域のフードバンクへの支援のほかに、ボルチモアや同社の大きな活動拠点であるカリフォルニア州のサンフランシスコ、リアルト、テネシー州のナッシュビル、テキサス州のオースティン、オレゴン州のポートランドで、隔離措置や店舗閉鎖が行われた際の食料支援にも役立てられる。
また、アンダーアーマーは同社が提供しているスマートフォンアプリの「マイフィットネスパル(MyFitnessPal)」と「マップマイラン(MapMyRun)」で、“ヘルシーアットホーム(Healthy at Home)”と題した30日間のフィットネスチャレンジを主催している。3月23日までに参加した人を対象としたこのプログラムでは、グッドスポーツのユーススポーツ連盟に100万ドル(約1億1000万円)を上限とする寄付金と、製品の提供を行う。
同社のパトリック・フリスク(Patrik Frisk)CEOは、「アスリートに貢献することが弊社のミッションだ。必要物資を提供することでより一層貢献していきたい。人びとの健康が脅かされている前代未聞の状況下で、栄養補給とフィットネスを通じて健康面のサポートを行っていきたい」とコメントした。