三越伊勢丹ホールディングス(HD)が三越恵比寿店を閉店する方針を固めたと、25日付「日経電子版」が報じた。報道によると、閉店の時期は2021年2~3月中で調整中という。
三越恵比寿店は1994年、大型複合施設「恵比寿ガーデンプレイス」の開業と同時にオープン。店舗面積は4層(地下2階~地上2階)約1万8000平方メートルと百貨店としては小規模ながら、ファッションや食料品、化粧品などに特化したMD構成で、周辺住民の日常に対応する百貨店を目指した。
同店は三越日本橋本店の「分店」としての扱いで、単店での売上高は非開示としている。だが三越伊勢丹HD広報によると、近年は「近隣の商業施設やECの台頭で苦戦が続いていた」という。2017年11月にはファッション、化粧品や雑貨などを扱う1階、19年3月には食品中心の地下2階を改装するなどテコ入れ。若年層の取り込みを図ったものの、収益体制の抜本的な改善にはつながらなかったとみられる。
三越伊勢丹HDは19年9月に伊勢丹府中店と伊勢丹相模原店、20年3月22日には新潟三越を閉店。近年は、地方・郊外店の整理により基幹店への経営資源集約を進めてきたが、都心店舗にもメスを入れることになる。