※この記事は2020年1月7日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
パパッと判断する、がクセになっていませんか?
新年明けましておめでとうございます。2020年もこちらのレターと「WWDジャパン」をどうぞよろしくお願いします。
私の今年の抱負は「最後まで考えぬく」です。“おいおい編集長さん、大丈夫かい”という声が聞こえて来そうですが実際最近、「最後まで考えぬく前に分かった気になって腰をあげる」フワフワした自分を見つけることが増えて、「マズイ」と思います。
理由は多分、何かを判断・決断する場面が激増しているから。秒速で画面をスクロールをして「いいね」か否かを判断するSNSとか、ですね。以前どこかで “意識が判断するより数秒前に脳は判断している”とか、“人間が何かを決断できる数には限界がある”とか読んだことがあります。ということは私の指がいいねを押している時に脳は次の投稿を判断し、それを繰り返すうちに夕方には判断能力が鈍っているということでしょうか?真偽は分かりかねますが、さもありなんです。
だから今年は「パパッと判断する」局面と、「最後まで考えぬく」のメリハリを大切にしたいと思っています。
なんてことを思ったのは、新年号で特集したファッション界の次世代を担う「ネクストリーダー」たちのインタビューを年末に校正したから。この企画は3年目で、「WWDジャパン」の記者たちが「この人が今後ファッション界をリードしてゆくに違いない」と推す10組が登場しています。
10組はデザイナー、経営者、弁護士、ギャラリスト、モデルなど仕事はいろいろですが、共通しているのは皆、時代や自分の強さを考え抜いていること。正解か・不正解かより、考え抜かれたものか否かの選択がキャリアを作ってきたんだと知ります。
その中の一人、マザーハウスの山口絵理子代表取締役チーフデザイナーは昨年パリオフィスを構えたことについて、創業時から「ずっと考えてきた」と話しています。“途上国から世界に通用するブランドをつくる”を理念に掲げる同社は現在6カ国に工場を構え、2022年にはバングラデシュに大規模な工場を構える計画だそう。まさに業界をリードする存在ですが、パリ進出は2006年の起業時から構想していたそうです。何故なのか?その言葉には説得力がありますので、インタビューでぜひどうぞ。
こんな感じで10組の考え抜く姿勢には学ぶところが多いです。「ネクストリーダー」のインタビューはウェブに続々とアップしています。どうぞチェックしてくださいませ!
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