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レナウン、株主総会で社長・会長の再任否決 親会社・山東如意の意向

 レナウンが26日に開催した定時株主総会で神保佳幸社長と北畑稔会長の取締役再任が否決された。筆頭株主である中国の山東如意科技集団が両氏の続投の反対に回った。新社長には26日付で毛利憲司・取締役上席執行役員(56)が昇格した。退任した神保氏は昨年5月に社長に就任したばかり。レナウンの業績は悪化していたが、着任1年に満たない社長が株主総会で親会社に「NO」を突きつけられる異例の事態になった。

 レナウン広報によると、今月中旬に山東如意側から神保氏、北畑氏の退任案が提出され、経営刷新を急ぐ山東如意側の意向で本日開催の定時株主総会で一気に決まったという。神保氏は相談役に退く。北畑氏の処遇はまだ決まっていない。北畑氏はアパレル企業の業界団体、日本アパレル・ファッション産業協会の理事長を務めている。

 山東如意は2010年にレナウンの筆頭株主となり、現在では53%の株式を握っている。レナウンは山東如意のネットワークを活用して中国市場の開拓に乗り出したものの、販売不振によって撤退。日本国内においても主力販路である百貨店での低迷で、赤字とわずかな黒字を行ったり来たりするような状況が続いていた。さらに2020年12月期には、山東如意の香港子会社から売掛金53億円を回収できず、多額の赤字を計上していた。通常、子会社に支払い能力がなければ、親会社の山東如意が支払う取り決めだが、それも守られなかった。

 山東如意の台所事情も苦しい。近年、山東如意は英ブランド「アクアスキュータム(AQUASCUTUM )」、スイスブランド「バリー(BALLY)」、仏アパレル「サンドロ(SANDRO)」、さらに約2000億円を投じた米スパンデックス繊維「ライクラ」などの大型のM&Aを相次ぎ行った結果、債務返済に窮するようになっていた。

 そういった中での突然の社長解任劇で、現時点では不明点が多い。レナウンはあす27日に毛利新社長による記者会見を行う予定だ。

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