ファッション

ノードストローム、社員を一時解雇 CEOは9月まで報酬返上

 米百貨店のノードストローム(NORDSTROM)は、4月6日から6週間にわたって一部の社員を一時解雇すると発表した。人数はまだ決定していないが、その間の福利厚生などの手当は保障するという。

 同社は新型コロナウイルスの影響で、3月17日から北米の全店舗を休業している。当初は31日までの予定だったが、事態が収束する兆しが見えないことから、これを4月5日まで延長した。店舗の従業員には、休業中も通常通りの給与を支払っている。

 エリック・ノードストローム(Erik Nordstrom)最高経営責任者(CEO)は、「新型コロナウイルスの影響で当社は大きな苦難に直面している。これまでで最も難しい決断を迫られたが、当社の従業員、顧客、株主にとって最善の道を選択した。長期的な雇用を守るためにも、健全な財務状態を維持しなければならない」と語った。

 負担を負うのは一般の社員ばかりではない。エリックCEOとピート・ノードストローム(Pete Nordstrom)社長兼チーフ・ブランド・オフィサーは、4〜9月分の報酬を返上する。その他の経営陣も報酬の一部を返上するほか、取締役会のメンバーも今後6カ月間は現金報酬を受け取らない。当面は配当金の支払いや自社株買いも中止する。同社はもともと2億〜2億5000万ドル(約220億〜275億円)程度の経費削減を目標としていたが、運転資金や営業費用、設備投資額などを縮小してさらに5億ドル(約550億円)以上の削減を目指す。また現金確保のため、融資枠の中から8億ドル(約880億円)を借り入れたという。

 米国の百貨店では、カナダの小売り大手ハドソンズ・ベイ(HUDSONS BAY)傘下のサックス・フィフス・アヴェニュー(SAKS FIFTH AVENUE)が4月1日まで、ニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP以下、NMG)傘下のニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)とバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)が3月31日まで米国内の全店舗を休業している。なお23日には、NMGが破産法適用の申請を検討していると、米ブルームバーグ(BLOOMBERG)が関係者の情報として報じた。

 アパレル関係では、H&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ)が数万人の従業員を一時解雇する予定があることと、配当金を支払い中止とすることを23日に発表している。

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