2019年下半期のファッション業界の最大のハイライトは、渋谷パルコのリニューアルオープンだろう。3年のブランクを経て戻ってきた渋谷パルコは、リーシング未経験者の起用に始まり、ラグジュアリーとストリートが交差し、路地裏の飲食店街が登場した地下フロアなど、インキュベーターであるパルコの真価を見せつけた。その裏側の全てを牧山浩三社長が語った。(この記事はWWDジャパン2020年3月23日号からの抜粋です)
「リニューアルの成功は16年8月の閉館のときに約束されていた」と牧山社長は振り返る。建て替え時には1973年の開業以来渋谷パルコに関わってきたファッション、アート、音楽、カルチャー、演劇、映画、広告、マンガなど幅広い分野のアーティストやクリエイター、さらには知識人までがメッセージを寄せ、実際に館内にも直接書き連ねた。アーティストの小沢健二がメッセージの中で地下の占いコーナーに触れた名文は、結果的に新生・渋谷パルコにも占いコーナーを残すことにつながった。「渋谷パルコ準備室のスタッフ、特に若いスタッフにとってパルコの歴史やすごみを知るいい機会だったと思う。“俺たちが思っている以上にパルコってすごいんだな”と。渋谷パルコがインキュベートしたファッションからアート、カルチャー、アカデミーのクリエーターの方々の存在が、結果として本当のパルコらしさをリニューアルチームに突き刺した」。
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