【追記】アメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA、CFDA)は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、6月に行われる予定だった2021年春夏ニューヨーク・メンズ・ファッション・ウイークの中止を発表した。さらに、通常6〜7月に発表される21年プレ・スプリング・コレクションについてもショーを行わないようにデザイナーに強く要請した。
英国ファッション協議会(British Fashion Council、BFC)も6月に予定していた2021年春夏ロンドン・メンズ・ファッション・ウイークを中止し、それに代わるデジタルの代替案に取り組んでいる。合わせて、新型コロナによる危機を乗り切るためにデザイナーを支援する、100万ポンド規模の基金も発表した。
フランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(Federation de la Haute Couture et de la Mode以下、サンディカ)は3月27日(現地時間)、新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、6月23〜28日に開催予定だった2021年春夏シーズンのパリ・メンズ・ファッション・ウイークと、7月5〜9日に開催予定だった20-21年秋冬パリ・オートクチュール・ファッション・ウイークの中止を発表した。サンディカは「新型コロナウイルスの世界的流行の拡大を受け、ファッション業界で働く全ての人、ブランドとその従業員の安全と健康を配慮し、連合の取締役会でこの結論に至った」と説明。「メンバーと共に、実現可能な代替策に注力する」としている。
一方、イタリアファッション協会(Camera Nazionale della Moda Italiana)も同日、6月19〜23日に開催予定の21年春夏ミラノ・メンズ・ファッション・ウイークを延期し、9月のウィメンズ・ファッション・ウイークと同時開催することを決めた。同協会は、「もともとのミラノメンズの日程に向けて、われわれは新しいストーリーテリングを生み出すためのデジタルフォーマットや新施策に取り組んでいるところだった。つまり、それはブランドやラグジュアリー企業、そしてファッション業界のあらゆるプレーヤーのためになるB2BとB2Cのプラットフォームだ。革新的なセールスキャンペーンを開始するため、6月までに新しいコレクションが準備できるよう多大な努力がなされると認識している。この新たなストーリーテリングにおいて、ミラノにある800のショールームが積極的な役割を果たすことになる予定だ」とコメントしている。
なお、6月13〜15日に開催を予定しているロンドン・メンズ・ファッション・ウイークの中止や延期はまだ発表されていない。しかし、ヨーロッパではすでに6、7月に行われるイベントの延期や中止が増えており、近く発表される可能性が高い。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員