※この記事は2019年10月4日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
衝撃!20代の感覚は、「モバゲー」が形作っていた(かもしれない)
今週は、20代アントレプレナー・ウイークでした。ところで「アントレプレナー(起業家)」って、「フォーブス(FORBES)」などで目に、耳にしてきた言葉ではありますが、僕の周りでも少しずつ広がってきた印象です。使いたくなる言葉ですね(笑)。なんかカッコいい。もうちょっと普及すると思います。
話を戻しましょう。最初に会ったアントレプレナーは、yutoriの片石貴展代表。インスタから始まったアパレルビジネス、古着女子を手掛けるほか、最近はバーチャルインフルエンサーをプロデュースしています。お会いするのは2回目。今回はランチにお誘いしたのですが、自分のこと、そして自分たちの世代のこと、さらに、その世代を取り巻く環境のことを実に冷静に客観視・分析していることに驚きました。
お次に会ったのは、ハヤカワ五味さん。生理用品を販売するEC連動型LINEの取材です。とは言え、LINEアカウント自体の取材は弊社のアクティビスト女子に任せまして(笑)、僕はハヤカワさんのパーソナリティーを読み取ることに全精力を傾けたのですが、片石代表同様の冷静沈着ぶり。こちらの目を大きな目で堂々と見つめ「ゲームチェンジしたい(従来の枠組み、ルールを新たに組み替えること、くらいに認識しておきましょう)」と語られると、「できるよ、きっと!」と応援したくなります。
20代の頃、僕は、彼らのように自分に冷静だったでしょうか?答えは、「NO」。あの頃の自分は、社会部の事件記者としての人生に疑問を抱き、見通しなんて何にもないままニューヨークに渡りました。自分を客観視できていたら、あんなことできなかったと思います。なぜ2人は、こんなに冷静なのか?と思って話を聞いていたら、2人から同じ名前が出てきました。
「モバゲー(Mobage)」です。
正直僕は体験したことがないので良くわからないのですが、ゲームを核としたSNSで、やはりフォローする・されるの関係性が存在するようです(ですよね⁉︎)。インスタユーザーはご理解いただけると思いますが、フォローする・されるって、やっぱりある意味“評価”です。幼い頃からスマホを手中にしていた彼らは、常に他者評価にさらされ、結果、自分を客観視できるようになったのではないか、と。片石代表の話を踏まえ、僕がたどり着いた1つの仮説です。
「自分を客観視すること」は、正しくもあり、とらわれ過ぎてもいけないことだと思います。正直片石代表には、客観視しすぎているあまり、どこか達観して、諦めているような雰囲気もあり、それは本人も自覚していました。実に向こう見ずな20代だった僕からすると、「もっと大志を抱いて欲しいなぁ」なんて思います。でもそれが、今の20代。頭では分かっていたことですが、ゲームの世界が、世代の特性や感覚を形成しているのかもしれないと実感し、改めてその力に驚いた次第です。
そう考えるとeスポーツ、やっぱイケますね。注目しましょう。とりあえず、「モバゲー」のようにスルーせず、まずは体験してみようと思います。
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