「出張インタビュー」第2回の訪問先は、原宿の“とんちゃん通り”で22年間営業を続ける古着店の「ベルベルジン」です。開店以来店頭に立ち、店長兼ディレクターとして働く藤原裕さんに話を聞きます。「WWDジャパン」「WWD JAPAN.com」の読者の中には、「私、古着は着ないから……」という人もいるかもしれません。しかし多くのラグジュアリーブランドがビンテージをデザインソースにしていますし、トレンドでもあるリメークアイテムにも古着は材料として使われています。「ディオール(DIOR)」メンズ アーティスティック ディレクターのキム・ジョーンズ(Kim Jones)や、ファッション業界との関わりも強いデヴィッド・ベッカム(David Beckham)も来日時にベルベルジンを訪れます。
ベルベルジンはバーニーズ ニューヨークに請われてポップアップイベントを行ったり、2019年11月には渋谷パルコにも出店しました。同店にとっては、これが商業施設初出店でした。藤原ディレクター自身もロサンゼルス発祥のジーンズブランド「ヤヌーク(YANUK)」のアドバイザーを務めるなど、「22年前には考えられなったビジネスパートナーを得ています」。
インタビューでは“定点観測”から見える古着の流通、価格、人気商品の変遷について聞き、古着を着たことがないという人にもお薦めのアイテムや、さらには350万円(!)のスーパービンテージジーンズも登場します。
【エディターズ・チェック】
インタビューが終わって撮影機材を片付けている際に、藤原ディレクターに「独立は考えないんですか?」と尋ねると、「たまに聞かれますが考えていません(笑)。僕は起業家タイプじゃないし、山田さん(山田和俊ベルベルジン オーナー)に恩義を感じているので」と答えました。スマートさとか合理性とかからは程遠いかもしれませんが、ファッションにもこういう男くさい世界が残っていてほしいなと感じました。