ファッション

「変わることは楽しい」 “ファッション×ビューティ”だから提案できる新たな可能性をバーニーズ ニューヨークのスタッフが実感

 「WWD JAPAN.com」がサポートする“ファッションとビューティのクロスオーバー”をテーマにした新プロジェクトが始まった。第1回目はバーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)、「ベアミネラル(BAREMINERALS)」、ヘアサロン「ダブ(DaB)」の3者がコラボレーション。3月8日の国際女性デーに合わせて一般向けにトレンドセミナーを行う予定だったが、残念ながら新型コロナウイルスの影響でイベント自体は中止となってしまった。ただ、打ち合わせを重ねて準備してきたことを何か形に残しておきたいという思いもあり、今回この場を借りてイベントを実現した。

 今回のイベントでは、鈴木春バーニーズ ニューヨークMD部 ウィメンズチーム シニアバイヤーが、“Free For ALL”をテーマに考えたファッショントレンドに合わせて、メイクを「ベアミネラル」のYuyaメイクアップアーティストが、ヘアを「ダブ」表参道店のMIYOKOディレクターが手掛けて、トータルで20年春夏のトレンドを提案するというもの。モデルはバーニーズ ニューヨークのスタッフが務めた。

 ファッションが春夏に変わり、それに合わせてメイクもヘアも変わったスタッフは一様に表情に笑顔と明るさが浮かぶ。「こんなにも変化があることに驚きました」と声を弾ませた。またそれを見ていた、「ベアミネラル」や「ダブ」のスタッフも、ファッションチームがこんな風にメイクとヘアを楽しんでくれることに感動。ファッション×ビューティだからできる新たな可能性を感じられた。

「ドリス」に負けないヘアとなじむメイク

WWD:1人目のモデルを務めてくれたのはバーニーズ ニューヨークのアシスタントバイヤーの柳原三希さん。まずファッションのポイントを教えてください。

鈴木春シニアバイヤー(以下、鈴木):今季の「ドリス ヴァン ノッテン」はデザイナーのクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)と協業をしたのですが、ラクロワの特徴でもある柄と柄を掛け合わせるコレクションを今っぽく融合させて、ドットと花柄で組み合わせました。(新型コロナウイルスが流行している)こういうときだからこそ、“ファッションを楽しんでもらいたい”という気持ちでコーディネートしました。それでいてバーニーズ ニューヨークらしく落ち着いた雰囲気にするためにジャケットを上に合わせています。こうすることで取り入れやすいスタイルになると思います。

WWD:なるほど。ではメイクのポイントは?

Yuya:今回、女性のお2人はファッションとメイクの連動を意識しました。2人ともファンデーションはイエローをベースにしたんですが、それぞれ別々のアプローチをしました。柳原さんの場合はファッションの柄が特徴的だったので、それが引き立つように考えました。カラーメイクは強く出すぎないように、肌色のイエロートーンに近くてなじみやすいオレンジ系カラーのワントーンで統一し、ファッションがより際立つようにしました。

WWD:ヘアは事前に実際に美容室に行ってもらいました。以前とかなり変わりました。

MIYOKO:柳原さんからは「お任せ」ということでした。一つは服に負けないヘアを意識したんですが、ただ服より目立つのはやり過ぎ。その間のバランスを考えました。全体にパーマをかけて、ポイントでカラーを入れています。「お任せ」の場合、私が重視するのはその人のファッション観や気分。だから私がやりたいことを押し付けるのではなく、一緒に作っていく感じでした。

WWD:柳原さんは実際に変身してみてどうでした?

柳原三希:最近はヘアもメイクもシンプルにすることが多かったので、ここまで変わるとすごくテンションが上がりました。初心に戻れるというか、「変化することは楽しいんだ」と思い出せました。

気分によって変化するヘアと魅せるメイク

WWD:次の林さんは一見シンプルな衣装ですが。

鈴木:この服はジャージー素材で着心地もよく、着ていてラクというのが今季バーニーズが提案する“Free for All”をまさに表現しています。ひもを結んだり、垂らしたりと、雰囲気を変えて着ることができるのもポイントです。この「コグザビッグスモーク(COGTHEBIGSMOKE)」というブランドは、ジェットセッターである日本人デザイナーが、エフォートレス、サイズレス、シーズンレス、エイジレス、トレンドレス、シーンレスをテーマに、ファッションを楽しむ上で生じるさまざまな制限から解放してくれるジャージー素材のドレスやジャンプスーツ、トップスを展開しています。

WWD:一見シンプルですが、自分でシルエットを変えられるのはおもしろいですね。ではヘアのポイントから教えてください。

MIYOKO:衣装に合わせて、ヘアも気分によって変えられるようにしました。グラデーションでピンク系のカラーを入れているので、普段のダウンスタイルとまとめたときとで印象が変わるようになっています。今回は自分でまとめた感じにしつつ、ラフ感ときっちり感があるようにしています。

WWD:続いてメイクのポイントは?

Yuya:カラーメイクが引き立つように、肌色のイエロートーンと真逆のブルートーンにあたるローズ・ピンク系カラーで、アイ、チーク、リップをワントーンで統一しています。そうすることで肌色に明るさや透明感が出るんです。

WWD:林さんの感想は?

林夏未:普段はあまり時間がなくて、ヘアもメイクもいつも同じ感じになってしまっていたんですが、メイクを変えるだけでもチャレンジになるし、すごく新鮮です。変わることで自信にもつながりますね。

ちょっとしたことで清潔感が出るメンズメイク

WWD:最後は男性の星野さん。まずはファッションのポイントからお願いします。

鈴木:フランス発の新進気鋭のブランド「カサブランカ(CASABLANCA)」のシルクシャツをメインに総柄のアイテムを組み合わせました。シルクシャツの柔らかい素材感と色味の雰囲気からボトムもカシミアタッチの肌触りのスエットパンツをチョイスしました。また全体が柔らかくなり過ぎないようにクラークスのシューズで締めています。

WWD:今回ヘアはご自身でということで、メイクのポイントは?

Yuya:清潔感が出るように、スティックタイプのファンデーションで目の周りのクマを隠したり、整えたりしました。肌の色も全体に明るくしました。最近、男性の方でもファンデーションをする人が増えていると思います。その点、スティックはご自身でも使いこなしやすいアイテムではないでしょうか。

WWD:星野さんは実際にメイクをやってみて、どうでしたか?

星野悠人:“メイクをしている”感じがしないくらい自然なのですが、それでいてファンデーションだけでもかなり顔色も違って見えるし、引き締まった印象になりした。まだやったことがない人にもおすすめしたい。こうしてプロに教えてもらうことで、普段の接客の際にもつなげられると思います。

WWD:最後に鈴木さんから感想をお願いします。

鈴木:私たちも普段はこうしてプロの方に教わる機会がないので、今回やってみていい勉強になりました。ファッションもヘアやメイクと組み合わせると洋服がより際立ったりと、新たな発見がありました。実際に体験したスタッフにとってもいい経験になったと思いますし、接客にも影響するのではないでしょうか。ぜひまた機会があればやりたいですね。

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