新型コロナウイルスの猛威によって、東京五輪・パラリンピックをはじめとした各種イベントが延期・中止となっている。外出控えの要請、海外渡航の自粛なども広がり、生活や仕事が制限されて、世の中に暗いムードが漂っている。消費市場も過去にないほどの落ち込み方を見せており、アパレル業界からも苦しい声が聞こえてくるが、こんなときこそ人々の気持ちを明るくするファッションの力が必要だ。弊紙では業界を代表するクリエイターやビジネスパーソンから緊急メッセージを募った。(この記事はWWDジャパン2020年3月30日号からの抜粋です)
逆境に強い私たち日本人は、
必ず耐え抜けると信じています
イベントの延期や中止、特に3月に本の出版をしたので写真展やファンの方々とのイベントを中止にせざるを得なかったり、海外での仕事の予定も変更したりと、私にとっても大きな影響がありました。不安の中、少しでも明るく過ごせる時間を作りたいと思い、まず楽しみにしていてくれたファンの方々のために、インスタライブ配信の企画をしました。こんなときだからこそ、新たな取り組みのための準備期間にしようと思っています。この状況は必ず終わりがあります。そして逆境に強い私たち日本人は必ず耐え抜けると信じています。
さらに飛躍するための
契機にしたい
4月の入社式や社内イベントの中止を決定しました。この厳しい状況をオンデーズがもう一段高いクオリティーのブランドに成長する「入口」にできるかどうかが問われています。今までなかなか手をつけられずにいた大きな課題から小さなものまで順に改善していくことで、コロナ不況が続く世界で生き残る確率は高くなります。終息後に業績を急回復させ、さらにその勢いを新たな成長へと繋げることができるよう今を大事に邁進します。
時化には時化の仕事がある
漁師町の気仙沼には、「時化には時化の仕事がある」という考え方があります。悪天候の際に漁に出たら命を落としかねない、そんな時は網を繕って好天に備えよというものです。東日本大震災を経験し、自然はコントロールできないという認識もこの町にはある。新型ウイルスもコントロールできません。編み手さんたちには「この1年は時化かもしれないから、網の目を補強するような年にしよう」と話しました。技術を高め、どんな状況でも受注にバランスよく対応できるようにしていきたい。
こんなときこそ「利他的精神」で
社会にお返ししたい
文化服装学院の卒業制作発表ができなくなったとツイッターで知り、私のアカウントでリツイート。メンションしてくれた作品を #twitter_fashion_show のハッシュタグでアップしていきました。その後、学生の方からは「テレビCM制作会社の方など、いろんな人に届いた」とのご連絡がありました。リアル「FOLLOWERS」な出来事でした。(軍地氏はネットフリックスオリジナルシリーズの蜷川実花監督作品「FOLLOWERS」でファッションスーパーバイザーとしてスタイリングを統括)
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