ストライプインターナショナルの石川康晴社長のセクハラ報道による辞任に伴い、3月6日付で就任した立花隆央新社長は、「WWDジャパン」の取材依頼に対して書面で回答し、信頼回復に向けた取り組みなどについて述べた。ハラスメントの防止策を講じるものの、石川氏によるセクハラの有無の再調査については、2018年12月にすでに査問会で結論が出ているため「再調査を行う予定はない」という。
同社は3月31日付で防止策を発表した。コンプライアンス違反事項についてのアンケートを5月から毎月行い、それを踏まえて弁護士による研修を毎月実施する。従来から設けていた外部弁護士事務所への通報窓口の存在を従業員に周知させる。また第三者を含めた監督機関を設置し、社外の有識者や社内の女性スタッフを集める。
立花社長は「ハラスメント防止のための対応強化、コンプライアンスの徹底を行い、従業員が安心して働ける環境作りを推進していく」と述べる。
一方で、「セクハラ報道による混乱」を辞任理由とし、セクハラ自体への事実関係の発表や謝罪を行っていない石川氏への再調査は行わない。査問会では石川氏への処分は厳重注意にとどまったが「査問会自体に問題があったとは考えておらず、査問会で審議した結論を尊重したい」。
石川氏は自身の関連会社を含めればストライプの株式の過半を持つオーナー。立花社長は石川氏の今後の経営に対する影響力については否定する。「石川が経営に関わることはない。最終的な経営の決定権は新社長の私 (立花)のもと新体制で行う。弊社は所有と経営を分離した体制になる」と説明する。
従業員の退職増加や新卒の内定辞退など雇用に関するダメージについては「現時点では人材採用への影響は出ていない」という。