ファッション

エゴサーチで挫けそうなアナタに エディターズレターバックナンバー

※この記事は2019年10月15日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

エゴサーチで挫けそうなアナタに

 とあるコスメブランドのリニューアルが「改悪」とまで言われた件は、ツイッターを見る限り、終息に向かっている気がします。こんなことを書いたら誰かに怒られてしまうかもしれませんが、本気で世界を目指すなら個人的にはリニューアルの方向性は正しいと思っており、今回の一件は、別の問題に飛び火してしまったことが痛かったように映ります。以上、フワッとした話で申し訳ございません。あくまで傍観者に過ぎなかったので、固有名詞をズバッと書くことにためらいが生じ、こんな書き出しになってしまいました。

 そのリニューアルで改めて感じたのは、「SNS上の意見には、一体、どこまで配慮すべきか?」です。個人名、ブランド名、もしくは社名でエゴサーチしたことある方なら一度は経験があるでしょうが、もう本当に辛辣で、立ち直れないほどのコメントに涙することは少なくありません。私も記事をアップしたりツイートしたりするたびに叩かれたことがありましたし、今も「WWD JAPAN.com」のコンテンツを(特にYahoo!に)転載すると心無いコメントに大いに傷つきます。匿名で質問を送れるSNS「Sarahah」を使ってみたときは、派手な服装で海外のファッションウイークに赴くことに対して「日本の恥」「似合ってない」「踊らされててバカみたい」などの罵詈雑言が届き、これまた挫けそうになりました。世間のみなさん、特にタレントの方々は、こんな理不尽を受け入れているのかと思うと頭が下がりますし、今更ではありますが自分の言動に反省することも多々あります。

 もちろん、厳しい意見には真理が潜んでおり、それは学びの機会でもあります。けれど、そろそろ私たち、たくましく生きてみませんか?厳しい意見に潜む真理や思いは受け入れつつ、「きっと、サイレント・マジョリティーは応援してくれているハズだ」と信じ、ただただ冷酷無比な意見は“ノイジー・マイノリティー”からの発信くらいに考えて、特にフォロワーがゼロに近かったり、過去の投稿もほとんどが悪意に満ちていたりするアカウントからのコメントは、“てへぺろ”でスルーしちゃう。それくらいの度胸を身につけたいものです。だって、じゃないと一歩踏み出せないもの。

 ネガティブ・リアクションを恐れてビクビクしている方に、経験から培った勇気を伝授したいと思います。血も涙もないような意見が「Sarahah」に寄せられたとき、それらの大半は、僕がアカウントを開設し、それをインスタグラムで告知してから数時間後に届きました。冷酷無比な意見の発信者ほど、僕のインスタグラムをリアルタイムでチェックしていたのです。彼らにとって僕は、嫌いなのかもしれないけれど“気になる”存在になっていたワケで、以降僕は、それを愛の一種と捉えています。また石の上にも三年なのか?信念を曲げなければ、時を経るごとにネガティブなリアクションは確実に少なくなります。受け入れてくれたのか、諦めてくれたのかは分かりませんが、間違いなく減っていきます。だから、めげないで欲しいんです。

 私たちも、時には皆さんがネガティブと捉えるコンテンツを発信するかもしれません。というか、しています。でも、それはあくまでも一意見。真理があると思ってくだされば気にしていただければ嬉しいし、そう思わないのなら「何言っちゃってるの、『WWD JAPAN.com』。わかってないね」と思ってくだされば良いんです。

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