欧米でも新型コロナウイルスによるダメージが深刻化する中で、新しいリテールのあり方を提案する米ネイキッド リテール グループ(NAKED RETAIL GROUP)は協業するブランドの製品を集めた「ケア パッケージ」の販売を始めた。
ネイキッド リテール グループはD2Cブランドをはじめ、ファッションやビューティ、ライフスタイルブランドに向けてポップアップショップやコンセプトショップのマーケティング・デザイン・開発を提供するクリエイティブエージェンシー。ニューヨークのノリータとソーホーに店舗を構え、そこでは協業するブランドの世界観を“体験”できるスペースを手掛け、製品を販売している。
しかし、今回の新型コロナウイルスの感染拡大でニューヨークは外出禁止令が発令され、実店舗は臨時休業を余儀なくされた。またクライアントの多くは中小企業やD2Cブランドで、窮地に立たされている。そこで同社はこの「ケア パッケージ」を発売し、協業ブランドをサポートする狙いだ。
今回発売した「ケア パッケージ」はブランドをまたいでウエルネスやインナービューティアイテムをキュレーションし、4種類を用意。「イミュニティー チェック」(75ドル、約8100円)はリンゴ酢のサプリメントグミやCBDティンクチャー、8種類の野菜や緑藻が摂取できるサプリメントタブレット、チョコレートと4つのブランドからそれぞれ1品を集めてセットにした。女性用のアイテムをそろえた「フォー ハー」(155ドル、約1万6700円円)はフェミニンケアウオッシュやセクシャルトイ、シェービングキット、チョコレート、スカルプトリートメント、リップバームなど8品をセットにした。メンズ用の「フォー ヒム」(155ドル)はサプリメント、茶葉、CBDバーム、ガム、シェービングキットなど6品を一つにしている。最も高価な「アルティメット セット」(305ドル、約3万2900円)はクリームやリンゴ酢グミ、男性用シェービングキット、女性用シェービングキット、免疫サプリメントグミ、マルチビタミングミ、スキンケアセット、キャンディーなど10品のセットなどが入っている。セットはどれも個別に製品を購入するよりもお得な値段となっている。
同社は米「WWD」に対し「(コロナウイルスの影響で)ここ数週間のリテール市場は大変な状況に陥っている。そこで消費者だけでなく、協業しているブランドをサポートするためにも今回特別に『ケアパッケージ』を用意した。取り扱う製品や業種関わらず、今中小企業はどこも苦戦している。今大事なのは、新しいアイデアで顧客やクライアントのコミュニティーをサポートすること」とコメントした。