新型コロナウイルスの猛威によって、東京五輪・パラリンピックをはじめとした各種イベントが延期・中止となっている。外出控えの要請、海外渡航の自粛なども広がり、生活や仕事が制限されて、世の中に暗いムードが漂っている。消費市場も過去にないほどの落ち込み方を見せており、アパレル業界からも苦しい声が聞こえてくるが、こんなときこそ人々の気持ちを明るくするファッションの力が必要だ。弊紙では業界を代表するクリエイターやビジネスパーソンから緊急メッセージを募った。(この記事はWWDジャパン2020年3月30日号からの抜粋です)
ファッションの力を通じて
一日も早く社会を活気づけたい
外出自粛によりECへの需要が高まっていると言われていますが、「ゾゾタウン」でも新規商品の入荷遅延、予約商品の納期遅延等の影響が確認されています。ファッション業界も、多くの企業がさまざまな形で影響を受け、対応に追われているかと思います。私たちも、改めて働き方を含めた日頃の業務形態を見直し、より柔軟かつ持続可能性の高い事業設計へと繋げていくことはとても重要だと考えています。一日でも早い収束を願うとともに、ファッションの力を通して社会を活気づけられるよう、スタッフや出店ブランド様と一丸となってファッション業界を盛り上げていきます。
巣ごもり消費の影響は限定的
こんなときだからこそ仕掛ける
“巣ごもり消費”と言われるが、実際には新型コロナの影響が深刻化した2月下旬から3月上旬まで前年割れの日が続いた。現在は回復し、前年を上回っているが、家で閲覧できるネット通販であってもファッション性の高いシューズと服を扱うわれわれにとっては、トータルで見ればネガティブ。だからこそ今は、いろいろと仕掛ける時期。ユーチューバーのヒカルさんやタレントのスザンヌさんと組んだD2Cブランドなど、山ほどの仕掛けを準備している。
今できること、
学べることを考えよう
いくつかモデルのお仕事が延期となりましたが、あたしの特性を生かしたお仕事が逆に増えているみたいなんです。特に海外から。あたしCGらしいんです。外に出るのも好きですが、室内でのカードゲームやスマホゲームとかって最高に楽しいじゃないですか?それにティックトックやネットフリックス、読書も。悲観しすぎることなく、今できること、学べることを探しながら過ごしています。ただ今は、世界を見渡せば深刻な状況の方々が多いので、その方たちに何ができるだろう。そんなことを常々考えています。
逆境のクライアントにとって
本当に必要とされる存在になる
イベントの延期・中止をはじめ、年間広告プランの見直しや予算凍結、支払い延期など、数字的にもダメージが大きく、影響は年内も続くと予想しています。これを機にビジネスのあり方が大きく変わるでしょう。過去の広告代理店ビジネスと決別し、 逆境のクライアントに本当に必要とされるパートナーとなるべく、新しいビジネスモデルを作るチャンスだと捉えています。
「ハッピー」は私たちが届けなきゃ
中国工場での生産や物流が止まってから、新作がなかなか入荷しない日々が続きました。お客さまも減り、売り上げにも影響が出ています。だけど私たちが悲観的になってはいけません。素敵な新作が入荷してくると、私自身、すごくワクワクした気持ちになります。それをお客さまに届けるため、オンラインでのコミュニケーションにきめ細かく取り組んでいます。
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