新型コロナウイルスの影響で、新年度を迎えたファッション専門学校が対応に追われている。感染拡大の収束が不透明な中で授業や行事のスケジュールを確定できない学校が多く、対処方法も流動的だ。
文化服装学院などを運営する文化学園は、「まだ確実に決まっていることが少なく、流動的な状況」としながら、入学式を含めて6月までのイベントはほぼ中止、授業開始もゴールデンウィーク明けになりそうだという。「いろいろな決定は、今後の状況で判断する」としている。
モード学園などを運営する日本教育財団は、「東京、名古屋、大阪各校の所在地の都道府県知事からの要請に応じて延期など対応している。また、オンライン授業など必要な学習サポートを検討している」としている。
バンタンは4月8日に、運営する10スクールの入学式を東京校と大阪校合同でインターネットによるライブ中継で実施する。約2800人が入学する予定で、ゲスト祝辞としてタレントのりゅうちぇるが登壇する予定だ。会場に出席する入学生代表および在校生代表の数名以外は自宅などで視聴し、一般公開も行う。バンタンは、卒業・修了式もインターネットによるライブ中継で行った。留学生は数名いるが、入学および通学への影響は出ていないとしている。授業の開始日は5月8日を予定している。
ドレスメーカー学院は、入学式をはじめ4月の行事を全て中止とした。授業開始は4月24日以降としており、確定していない。「夏休みを減らし、現状の授業を後ろ倒しにして進める予定だが、もし状況が5月中に収束しない場合は抜本的に考え直す必要がある」としている。
横浜fカレッジは例年、大学院を含む姉妹校合同の入学式を実施していたが、今年は学校やクラスごとの縮小実施を計画。授業開始は、5月の連休明けを予定している。
大阪の上田安子服飾専門学校は、入学式および毎年恒例の万博公園での学生懇親会も中止とし、授業開始日は例年より2週間ほど後ろ倒しとした。留学生については、「日本にいるケースが多いため、本人の判断に任せている。来日に支障がある留学生の中には、本人の判断で入学を1年延ばすケースも出た」という。
大阪文化服装学院は、入学式と例年4月に実施している1泊の新入生宿泊研修を中止。「さまざまなことを、状況を見ながら毎日のように協議している」という。今後については、「見通しが立たないというのが正直なところ。日々の変化に細かく対応するしかない。授業については、できる限りの感染予防対策を講じつつ、なんとか連年通りに実施していくことを考えている」と話した。