※この記事は2019年11月20日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
革新的アイデアこそビジュアライズ
先週のエディターズレターでもお話したLVMHの“起業家マインド発掘&育成プログラム”「DARE」は印象的なシーンだらけでしたが、中でも2人のイラストレーターによる即興のビジュアル作りに心奪われました。
2人は参加した60人の「Innovation in Retail(リテールにおけるイノベーション)」に関するプレゼンを、即座に1コマ漫画化。巨大な模造紙には、あっという間に60のイラストが並びました。
聞けばこのビジュアルは、これを皮切りにスタートした3日間のプログラムで、アイデアを思い出したり、比較検討したり、原点に立ち返ったりする際の指針になったそうで、「ハッカソン的にインテンス(詰め込み気味)で、知的&抽象的な会話が飛び交うプログラムを、情緒&直感的に咀しゃくする機能を果たしているんだなぁ」と感じた次第です。
でこの週末は、今度は自分が登壇。福原志保さん&川崎和也さんと、「着る」の未来を考えるトークセッションに参加させていただきました。事前の打ち合わせが盛り上がりすぎたせいか、トークは、トピックスがあっちこっちに移ろってしまい若干反省しておりますが、来場者の1人からその晩、ビジュアルを中心とした“トークの履歴”をデータで頂戴したのです。
ビジュアルを微笑ましく眺めていると、自分がナビゲートしておきながら、「あぁ、こんなこと言ったなぁ」とか「そうか、福原さんの言葉は、この文脈を受けてだったのか」とセッションの再発見が実に多く、たまげました(笑)。イラストがカワイイので良い思い出になるし、感謝感謝のサプライズでした。
早速お礼のメッセンジャーを送りますと、イラストについて「デザインシンキングのワークショップなどには、よく重宝されます。アイデアやビジョンをディテールまで詰めるのではなく、ざっくりと大まかにイメージを伝えるクリエイションの場では効果的なんだと思います」とお返事くださいました。な~るほど。
イノベーションを考える機会は、頭脳派の方々がリードしてくれる機会が多いし、デジタル系の専門用語も多いせいか、私たちには時に難解なことがあります。ビジュアルは、そんな“敷居の高さ”を下げてくれるのかもしれません。ファッション&ビューティの皆さん、イノベイティブな場所に、ビジュアルの力を借りてみてはいかがでしょう?テックが、イノベーションが、そして未来がちょっとだけ“自分ごと”化できそうです。
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