そごう・西武の2020年2月期は、売上高が前期比2.5%減の5894億円、営業利益が同94.7%減の1億7000万円、純損益は75億円の赤字だった。「第4四半期(12~2月)が非常に厳しかった」(親会社セブン&アイホールディングスの井阪隆一社長)。消費増税(10月)の反動や暖冬による秋冬衣料の不振に加え、新型コロナウイルスの影響で2月の客数が急減。19年10月に発表した構造改革の費用(64億円)もかさみ、最終赤字となった。
売り上げ構成比の約36%を占める衣料品は、2142億円で前年比6.7%減。主要店舗の売上高は、西武池袋本店が同0.9%減の1823億円、そごう横浜店が同1.5%減の1089億円、そごう千葉店が同2.0%減の740億円。首都圏基幹店(同1.4%減)に対し、地方・郊外店が同5.1%減と落ち込みの大きさが目立つ。
地方店のテコ入れの一環として、19年11月には西武所沢店を、百貨店と専門店を組み合わせた「西武所沢S・C」として刷新した。20年2月は、新型コロナウイルスの影響で同社全体の客数が前年同月比約7割と落ち込む中、同店は同0.4%減と健闘した。
21年2月期の業績予想は、新型コロナウイルスの影響により公表を延期した。期中には、西武大津店など5店舗を閉鎖し、西武秋田店と西武福井店の一部の営業を終了するなど構造改革を進める。これに伴う人員削減数は、当初発表していた約1300人から約1400人に増やす。
「現時点では、(新型コロナウイルスの影響による)これ以上踏み込んだ構造改革は予定していない」と井阪社長。「不採算店舗は閉じるが、残すと決めた店は成長可能なロケーションだ。中身を変えれば支持をいただけるという確信がある」と話す。