ビューティ

使ってから値段を決める“あと値決め”を導入 D2Cメンズコスメ「イーヴォ」の狙い

 ミレニアル世代向けのD2Cメンズコスメブランド「イーヴォ(IYVO)」が誕生した。同ブランドのコンセプトは“Keep anything, Protect something.(キープエニシング、プロテクトサムシング)”。「イーヴォ」を通じて理想の自分や描いた夢を諦めることなく自分らしくあり続けてほしい、ユーザーの肌を健やかに保ち自信を与える身近な存在でありたいという思いから、このブランドコンセプトは生まれたという。

 同ブランドは安心・安全を追求し、提携する工場の農園で無農薬栽培された植物を原料に用いて開発している。現在は化粧水のみで、普通肌用と脂性肌用の2種を展開し、公式サイトのみで販売している。

 ユニークなのがその決済方法だ。多くの若い人にまずは使ってもらいたいという思いから、“あと値決め”という決済方法を導入している。これはネットプロテクションズが提供するサービスで、商品を実際に利用した後に、消費者自身が価格を決定し支払うという仕組みだ。最低価格は配送料込みで1360円を設定している。ブランドを展開するエニログ(Anylog)の小椋康浩代表は、「まだスタートして間もないが、何人かのユーザーのフィードバックを見てみると、平均価格1795円と全員が最低価格以上の価格にしてくれている。また2個購入の場合は最低価格2160円のところ平均価格3110円と1000円近くも高かった。今のところ実際の購入者は20~40代とターゲットよりも少し上。当初は最低価格よりも高い値段をつけてくれるかとても不安だった。しかし、温かい応援のコメントと共に、こうして金額を上乗せして値付けしてくれたことが大変うれしく、感謝の気持ちでいっぱい」とコメントする。

 小椋代表は、もともとグルメSNS「マイフェ」を運営し、テレビ番組「マツコの知らない世界」(TBS系)にはオニオンリング好きとして登場するほどだった。ただその事業がうまくいかず、新規事業を考えたときに、肌のトラブルに悩んでいる女性の話を聞いて化粧品ビジネスに着目した。「もともと女性向けの化粧品を考えていたが、男性である僕が女性の気持ちを理解するのは難しいと思い、男性化粧品ビジネスをすることに決めた。ターゲットは10~20代の若い男性。最初に使うメンズコスメは安全で、かつ効果をしっかりと実感できるものであるべきという思いで作った。そうでないとせっかくメンズコスメに興味を持ってくれても離れていってしまう。だからこそ『イーヴォ』がその先駆者なれればと考えている」と語る。

 正式スタートを前に行ったクラウドファンディングでは、約60人の支援者を集めて目標額10万円を達成した。ある程度需要があることが確認できたうえで、2月の正式スタートに至った。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。