企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回は注目企業ワークマンの決算書から収益構造を解説する。(この記事はWWDジャパン2020年1月13日号からの抜粋です)
今回は株価が初めて1万円台に達して話題を集めたワークマンを決算書から読み解いてみたいと思います。
まずワークマンは、ベイシアというスーパーマーケットやカインズホームなどを運営しているベイシア グループ傘下で1980年に群馬県伊勢崎市に1号店をオープンしました。ベイシアグループは年商が1兆円近いのですが、その創業家の土屋一族を含む安定株主がワークマン株を8割持っています(2019年3月期有価証券報告書)。つまり小売業という分かりやすいビジネスで、利益率が高く、成長の見込める企業ということで、残りの少ない浮動株を皆で奪い合うから目下株価が急騰しているというのが、私の見立てです。
さて、このワークマンのビジネスモデルですが、メインはいわゆるフランチャイズチェーン(FC)です。19年3月期末の時点でFCが734店舗あって、直営店が103店舗。合わせて837店舗です。
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