高島屋の2020年2月期連結業績は、売上高に相当する営業収益が前期比0.7%増の9190億円、営業利益が同4.0%減の255億円、純利益が同2.5%減の160億円だった。ホテルや店舗の内装などを手掛ける建装事業の受注増で増収を確保したものの、主力である百貨店事業が昨年10月の消費増税、暖冬で販売不振に陥った。1月に発生した新型コロナウイルスで訪日客だけでなく国内客の来店が減ったことも痛手になった。
百貨店事業は営業収益が同0.9%減の7847億円、営業利益が同20.2%減の69億円だった。伸び続けていた免税売上高は、同9.4 %減の496億円で終わった。1月以降の中国人ツアー客の大幅な減少が響いた。商品別売上高では従来からダウントレンドの衣料品が同2.8%減、ずっと伸び続けていた化粧品も同3.2%減と久々にマイナスに転じた。
新型コロナの影響が見通せないため、21年2月期の業績予想は見送った。村田善郎社長は事態の長期化も見据えて財務体質を強化するとともに、「アフターコロナの戦略として、デジタルを用いたコミュニケーションや家の中での娯楽など、百貨店として新しい消費ニーズに応えられるようにしたい」と話した。