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三陽商会が黒字化へ荒療治 仕入額110億円削減、不採算150店舗撤退

 三陽商会は14日、経営再建に向けた「再生プラン」を策定し、2022年2月期に営業黒字を目指すと発表した。5月に発足する大江伸治次期社長のもと策定した計画で、基礎収益力の回復とそのための事業構造改革の断行を柱に掲げる。新型コロナウイルスの影響も鑑み、百貨店を中心にした150店舗の閉鎖、仕入れの大幅な抑制など、徹底した合理化を進める。

 同社は屋台骨だった「バーバリー(BURBERRY)」のライセンス事業終了後、20年2月期まで4期連続の営業赤字に苦しんでいる。当初は3年後の営業黒字を掲げていたが、主販路である百貨店の客離れもあって、「バーバリー」の後継と見込んだブランドも低迷する。

 外部から招へいされた大江氏はこれまでの再建計画を「売り上げ規模の維持にこだわった結果、過剰な仕入れを繰り返し、値引きを拡大することになった」と総括。減収を前提に、徹底した合理化を断行して粗利益率を改善させる考えだ。

 今期(21年2月期)は前期に比べて仕入額を110億円削減し、期末在庫も30億円程度少なくする。これまで各ブランドの事業部が行ってきた仕入れを一元管理することで抑制する。SKU(最小在庫管理単位)もブランドによっては最大30%減らす。百貨店を中心とした不採算の150店舗も撤退する。その他の赤字事業についても今期中に継続か撤退かを見極める。今期で改革にめどをつけて、22年2月期に売上高550億円、営業利益15億円を計画する。

 前期業績(決算期変更に伴う14カ月の変則決算)は売上高688億円、営業損益が28億円の赤字だった。21年2月期は新型コロナによる打撃を念頭に入れ、その影響が短期で収まるか、長期化するかのシミュレーションした2通りの業績予想を策定。長期化するシミュレーションでは売上高355億円、営業赤字105億円を想定する。これに耐えられるように追加の資金調達や不動産などの資産の流動化の検討によって総額130億円を確保する。

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