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バロック村井社長「中国の回復は非常に鮮明」 20年2月期は減収減益

 バロックジャパンリミテッドの2020年2月期連結業績は、売上高が前期比2.8%減の658億円、営業利益が同4.7%減の46億円だった(前期は決算期変更により13カ月決算。前期との比較は、18年3月~19年2月の実績と比べた参考値。ただし営業利益の比較は、前期の特別利益の影響を除いたもの)。国内事業が秋以降、消費増税や暖冬により鈍化。海外で主力の中国事業も、新型コロナにより全土で店舗を休業するなど大きな影響を受けた。

 国内事業の売上高は同1.4%減の591億円。全事業の売上構成で約45%を占める「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」などSC向けは同1.3%減。「価格に敏感な客層のため、(下期以降は)消費増税の影響が色濃く出たが、全体としては回復基調」(村井博之社長)。新ラインの投入や販売力の強化施策などが奏功した。「マウジー(MOUSSY)」「スライ(SLY)」などファッションビル・駅ビル向けは同5.0%減だった。

 海外事業の売上高は同8.0%減の80億円(卸売ベース)。現地の靴小売ベル・インターナショナルとの合弁会社が展開する中国事業は、2月には新型コロナにより全土で店舗の休業・時短営業に追い込まれたが、ECの好調(同61.4%増)で増益(同4.7%増)だった。中国小売全体に占めるECの売上構成比は10%に到達した。「日本国内のモデルケースとなるよう、リアル店舗重視からECを組み合わせたオムニチャネルへの移行を進めていく」(村井社長)。実店舗は毎期50店舗前後を増やしてきたが、今年は36店舗の純増に留めた。民主化デモが長引く香港事業は赤字だった。

 21年2月期の業績予想は新型コロナの影響により未定とした。発生源である中国の状況は「日に日に良化しており、業績の回復は非常に急速かつ鮮明」。同社の商品は8割以上が中国生産だが、「懸念されていた納期に関しても、2~3週間の遅れで済んでいる」という。

 足元では国内事業がダメージを受けているが、「グローバル戦略」と「ニューリテール」を掲げた中期経営計画は「予定通り進める」(村井社長)。21年2月期中には、「アズール」で先駆けて導入していた無線電子タグ(RFID)を全ブランドに拡大する。「実験段階が終わり、データを分析して商品作り、サービスに活かすフェーズに入る」。そのほか、新たな通信規格である5Gを活用したEコマースの手法を中国で導入するほか、AIによるMDの半自動化などにも取り組む。

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